千五十二生目 超越
目の前の何かを……"観察"だ!
[全ての破壊者 Lv.1 比較:とてもとても強い 異常化攻撃:確殺破壊 危険行動:天地消ゆ]
[全ての破壊者 意思や魔王外部に割く力を全て絶ちエネルギーを受ける時から放つ時へとシフトした。破壊の思考のみで動き何者もを砕きつくすまで止まることはない]
「うわ……もう魔王ラキョウですらない! 生命力もわからない!?」
何かおかしいと思ったら。
相手の生命力が見えないし行動力は果てしない。
なんというか……そう。
彼は生きていない。物でもない。
幽霊でもない。神でもない。
もちろん王ではない。
そんなところを超越したのか……それとも捨ててしまっただけか。
あまりの圧に私以外の全員が動けないでいる……
景色は確実に宇宙へといるのだが……このままでは!
(ねえ! コレ使えないかな!)
(ヤツは何もかもを捨ててエネルギーの塊みてーになってあそこにいる……だが魔王自身とラキョウの魂があそこでほぼ無理やり眠らされているからな……やりようはあるんじゃないか?)
アインスの見つけたこのスキル……! 神になって使えるようになったのか!? あまりまだ実感はないんだけれど!
さらにドライの言うことは私もなんとなくわかった。
全ての破壊者は魔王とラキョウ自体を内側に閉ざしたままそれをコアにして完全無視で自身を確立させている。
逆に言えばもし表に引っ張り出されたら……
そのためには……全ての破壊者も魔王ラキョウも捨てたつながりを見つけねば。
あの感じ聖魔法"セパレーション"ではだめだ。
"セパレーション"は正邪を……つまり必要品Aとそれ以外でわける。
つまりは何かに何かが取り憑いているぐらいなら無理やり他と組み合わせればいけるのだが……
もうあれは取り憑いた者たちすら無視して単に暴走したエネルギーにすぎない。
あまりにも純粋な高威力エネルギーが覆って新たな存在となっているから分ける段階までいけない。
簡単に言うと母体から胎児をこの魔法では摘出できないのだ。
何をするにもおとなしくしてもらわねば。
まずは!
「みんな! アイツの力に負けないためにも……一時的に私に力を貸して!」
「うぐ……」
「だが……身体が……!」
「大丈夫、私の力……だけれどもみんなとの力だから、協力する必要があるんだ!」
このスキルは私ならではだと思う。
私単品では完成しない。
みんなだけでは出来えない。
それは!
[神魔行進Lv.1 一定範囲内にいる自身と自身の繋がりのある味方に対して双方の合意により一時的に神使のような付与を出来てさらに根源的な強さを引き上げる]
敵が全ての腕を天にかかげ凄まじいパワーを集めている……!?
あれはまさか"天地消ゆ"と書かれていた……!
もし実行されたらもしかしたら二度と復活しないように壊されるかも知れない!
「なんだ? アイツは一体何を?」
「クソッ、スキだらけなのに身体が思うように動かねえ……!」
えっ?
イタ吉もダカシも何を?
まさか……あのエネルギーが見えていない?
これは……神クラスじゃないと認知すら不可能な次元からの叩き込み!?
そんなの本当に食らってられないぞ!
とにかくさっきのスキルを使おう!
そして同時に剣ゼロエネミー!
激しい回転で斬りつけを行う!
ゼロエネミー自身も私の力が加算されガリガリと敵の身体を削る!
さすがに嫌がったのか短距離のワープをしゼロエネミーを回避。
さらに超加速して剣ゼロエネミーを蹴り飛ばす!
当然私は行動予測して……いるがそれでもゼロエネミーがかすり蹴り飛ばされそうになった。
だがドライが制御してすぐ立て直す。 敵も止まらず6つの腕を振りかざしこちらと連続攻撃をしあった。
その間に私はスキルを展開。
不可思議な輝きが私を包みさらには光として4名へと伸びていく。
うぐ……結構難しいスキルだなあ。
私で4人を相手にするのが限度だ。
神の力を扱うから他者への送信パイプは魔法と同じにはいかない。
私の出力限界もある。
だが……十分だ!
「これは!?」
「神の……力?」
「おっ!」
「俺たちは同じ扱いか!」
「やれるなら何でもいいぜ!」
「妹、良いんだな、これを!」
みんな私の方を見てくる。
もちろん……答えは……はいだ。
「みんな! 最後の戦いだ! お願い!」
「「よし!」」
目的を共にしたかつての罪人。
それを超越した友として――承認。
私の兄であり同じ時に生まれた分身。
インカを大事な家族として――承認。
勇者であり異世界転生人。
奮闘する背中に勇気を貰える仲間として――承認。
古くからの縁でありライバル。
変わろうが増えようがずっと大事な友だ――承認。
今こそ! "神魔行進"!




