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千五十生目 超力

 転生トランスをして敵のデータが見えた。

 私の身体に関しては実地試験をするしかない。

 それに大事なのは……


「ろ……ローズ……!? 本当に!」

「グレンくん、みんな、おはよう! みんなのおかげて帰ってこれたよ」

「んだよ!」「心配かけさせやがって!」「よっしゃぁ!」

「い……妹が蘇った……!」


 みんな唖然としている。

 敵も含めて同じく。


「なんだと……糞が、死霊だとでもいうのか!?」

「……なあ、いけるな?」

「もちろん!」


 ダカシはあえて私の方を見ず敵に向かって両手の剣を構える。

 つまり私が単に戻ってきただけではないと言いたいのだろう。

 もちろん私もそのつもりだ。


 グレンくんの方を見てそっと手を差し出す。

 グレンくんも理解したのか私の方へと手を差し伸べる。

 勇者の剣が強く光を放っていた。


「よし! いくよ!」

「させるか! 死に損ないが……!」


 見える。

 これが神の世界が見る場所か。

 おそらくは情報理解量が根本的に違う。


 感覚的に次にどこへどう攻撃が来るのかが手にとるようにわかる。

 グレンくんたちのは直感的に空間が引きされるところが分かる程度だったが……

 今の私はその先まで読める。


 事前にオーラのように攻撃線が視えるとでも言えばいいのか。

 今まで対峙した神が強いのがわかった。

 これだけ得れる情報量に差があったらそりゃそうなる。


 そして……グレンくん。

 ちょっと向こうまでは距離がある。

 ここは私が出来ることを手探りしながらに付き合ってもらおう。


「グレンくん!」

「うん! わあ!?」


 グレンくんは敵対していない私に対しては軽々と持ち上げられる。

 そして私は……

 すぐさま姿を変える。


 理屈はともかくいけると思ったのだ。

 他の神のように。

 自身を縛る枷はなく心の赴くまま私という概念を纏い直す。


 駆ける鎧の姿……グラハリーのごとく!


「うわぁーあっ!? 違う姿に!?」

「飛ばすから、しっかり捕まってて!」

「う、うん!」


 私はまるでグラハリーのような姿になる。

 胸の宝石ごと私を全身を纏い4足。

 大きめの四肢はグレンくんの騎乗に十分耐えうる。


 すぐに私達の両サイドから空間が裂けて刃が飛び出すのをきっちり時間通りに避け出発。

 その先もその先も……明らかに相手が弱っていて数が少ないのもあるが。

 まるで避けるのに苦労しない!


「この……!」


 さすがに近づかれたくないのか私達へ他のメンバーを放っておいてその分空間の裂け目を配置するらしい。

 ならば!

 背中からエアハリーみたいな翼の針を展開!


 勢いそのままにこの重装甲にふさわしくない高速ホバー移動を見せよう!

 グレンくんがしっかり捕まっているのをチェック……

 左右に激しく高速ホバー移動!


 空間の裂け目を避けて避けてそのさきも避ける!

 刃が飛び出した先は何もない!

 さらには角度を変え壁に沿って横ホバー!


「うわわわ」

「グレンくんいくよ!」


 イバラの力……ロゼハリー!

 横から飛び出しそのまま空中を蹴るように飛び込み接近!

 グレンくんの手に背から出した細いイバラをまとわす。


 しっかりと勇者の剣ごと掴む。

 "同調化"も効かして……

 コンビ技だ!


「そうれっ!」

「よいっしょーっ!!」


 さらにイバラを伸ばしながらもグレンくんは私の背から飛び出る。

 そこには待ち構えていたかのように空間の裂け目が生まれ……

 急に軌道が変わって避けた。


 グレンくんはさっき身体に回した私のイバラに振られ大きく上へ。

 そのまま勢いをつけて回転落下。

 距離を伸ばしつつ勢いをつけ……最後の下大動脈へ!


「止め、グッ!?」

「これでトドメだ!」


 彼が空間の裂け目を出すのは間にあわない。

 先に勢い付けたグレンくんが想いを込めて光るナイフのような本体部分を刺しこんだ!


「「"次元斬"」」


 凄まじい勢いで切り裂かれた大動脈は光が走ると共にエネルギーの流れが止まる。

 追撃警戒のためにすぐにグレンくんをイバラで引いて私と共に下がる。

 みんなの元へと合流し姿をホリハリーに似たものに戻す。

 精霊たち……力を貸して!


 4つの精霊を感じ取れる……これで合計5枠の魔法。

 まずはみんなの生命力を治さないと……


「……すっげ」

「どうだ……! 奴は、死ぬか……!?」


 尾刃イタ吉が私を見て言葉をこぼした。

 ダカシの言葉で私達はみな魔王ラキョウへと警戒をはらう。

 すべての力を絶たれてヤツは……どう出る?


 とにかく全体に"ヒーリング"。

 みんなの生命力を治しつつ……

 また似たようなことをされないか警戒。


 2度も殺されてたまるか!

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