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千三十一生目 決死

 魔王は地に付して這い上がろうともがいている段階。

 魔王内部突撃メンバーを現在の戦力から選んで補助と回復。

 とは言っても大量の兵士を連れて殴り込みにいくわけではない。


 資料にも送り込んだ勇者たちは生きて帰ってこられなかったとあるし……

 何より侵入経路はまあまあ狭いらしい。

 タイミングも少なくメンツは絞られる。


「というわけで、みんな、もうひと踏ん張り行ける!?」

「もち」

「ろん」

「さ!」


 まずはイタ吉たち。

 複数形だがイタ吉は大小3体いるからってだけだ。


「俺の力、もっと発揮していかないとな」

「当然、ヤツを殺すまで俺は行く」


 最近戦闘意欲が高めのインカにラキョウへ止めを刺しに行きたいダカシ。

 そして勇者であるグレンくん。

 この5名小隊で戦いに挑む!


 全員に補助と勇者の加護をかけられるだけかけて全員の肉体やメンタルもチェック。

 魔法で癒せるだけ癒やし……

 魔王が立ち上がりきる前に改めて近づく。


「帰ってきてくださいねー!」

「危なくなったら帰るよ!」


 ドラーグたちに見送られつつ……

 魔王左頭へと接近した。


 こうして接近してみると魔王はまるで力が衰えてはいない。

 なんというか……一時的にしびれて立ち上がりにくいみたいな。

 根本的な生命力を削げきったわけではない。


 3つ首のうち右頭がこちらを見ていた。


「勇者……殺ス!!」

「勝つのはこちらだ、魔王!」

「……見ツケタ」


 なんだ……!?

 真ん中の頭が初めてまともにしゃべった。

 それだけで驚いてしまう。


 天をひたすら見続けていた真ん中頭。

 正直それだけで警戒に値する。

 両方の頭も明らかに態度が変わっておとなしくなる。


「見ツケタ……」

「見ツケタ……」

「見ツケタ……!」

「「ジ・アース!!」」

「えっ? うわっ」


 3つの頭が吠えること。

 地球を見つけた……?

 まさか……ずっと地球を探していたのか!?


 そんなめちゃくちゃな。

 ここから宇宙を……そしてどこにあるかわからない……次元すら一致するかわからない地球を見ていたということなのか!?

 どんな身体だ! めちゃくちゃだ!


 しかも身を屈めた状態なのに翼を大きく広げ風が舞う。

 今までよりかなりはっきりと意思を感じる動き。

 まずい……まさか地球を見つけてしまってラキョウの意思に寄ったか!?


「おいおい……まさかジ・アースってところに飛んで行くつもりじゃないだろうな!」

「まさか……! 例え見つけても宇宙をこえたその先だろうに……!」

「ウチュウ? どこまで遠いかはわからないが……それを説いてどうにかなりそうなやつじゃないぜ!」


 イタ吉の指摘を肯定するかのように翼が大きく動き風を掴みだす。

 いや……まさか嘘だろう……!?

 そこまで規格外なのか!?


「ッ! 全員、急いで左頭に!」

「具体的に乗り込む策はあるのか?」

「うん、資料にあったことをうまくやれれば……」


 急速に飛行し全員で左頭を取り囲む!

 大きな瞳がギョロギョロとこちらを鬱陶しそうに視認してくる。

 向こうからしたら蝿そのものだろう。


「まずは全員左頭に攻撃を叩き込もう!」


 だが攻撃は蜂のように!


「ハアッ!!」


 インカはまず身体先端に鎧変形の槍を伸ばし(エフェクト)をまとわせながらすくい上げるように下から上へ身体を持ち上げながら突撃する。

 ごく自然にやったがキレイに全身の動きを攻撃の重みに乗せている……

 さらにそのあと少し飛び上がり回転しつつ振り下ろす。


 そして叫びながら正面に太い槍を作り出し構えゼロ距離からの猛突撃!

 反転し尾先の刃を素早く2連続で斜め振りしたあと勢いをつけ大きく振り下ろし叩きつけた!

 全ての攻撃軸がぶれていないため魔王左頭への攻撃跡の中心点が深くえぐられている……!


「俺もただ獣であったわけじゃない!」


 ダカシは悪魔の力で剣に怪しげな紋様の(エフェクト)を伸ばす。

 そして息つく間もなく瞬間的に飛び駆けより2剣振り下ろす。

 さらに長く大きな剣……復讐刀の方を大きく2回振り込んで。

 それから小剣を3回横に斬り裂く。


 そして小剣を刺した手を話したかと思えば凄まじく力を高め……

 復讐刀に荒々しい獣のような振り抜きで斜め滅多裂き。

 復讐刀を上に放り投げつつ小剣を抜き今度は力の抜けた素早い縦振り抜きをくりかえし……


 復讐刀キャッチと共に口で小剣を持ってから両手で復讐刀大きく横に一回転斬り!

 そのまま復讐刀を片手に持ちもう片手に口から小剣を移す。


 コマのように激しい回転で一気に斬り裂いた!


 "鷹目"で見ているが凄まじい武技の使い方だ……!

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