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千二十三生目 撤退

 私達もダカシやたぬ吉に加わり補助をかけつつゼロエネミーで攻め入る。

 動かない相手は鞭剣モードがよく刺さるから助かる。

 1番破壊力があるし"龍螺旋"も使えるからね。


 それはともかくドラーグは巨大な砲を担いでいて頭の上で少女……コロロと共に自信満々な顔をしている。

 アノニマルースでは多種多様な訓練環境も整っているしそれこそ砲を持たされるなら試運転はしていたはずだ。


 それを踏まえても前衛がいても平気ということは……

 まさか結構高い砲撃または射撃スキル持ちなのか?

 遠隔系攻撃加算が出来るスキル持ちとそうでない場合まるで威力も精度も違うしやはりそういうことかな……


「すごい……一体どんな砲撃が!?」

「ふふふ、見ててくださいね! ローズ様、グレンさん!」

「いけー! ドラーグ、コロロ!」

「パパ、よく狙って……」


 話している間にもしっかり補助を撒く。

 ドラーグとコロロにも忘れずに。

 敵の細剣がギリギリ当たらない位置を取りつつ兵やたぬ吉たちが魔法を打たせないよう武器を誘導しギリギリ避けしている。


「エネルギーリチャージ完了! よーく狙って……」

「……あの翼に」

「「発射!!」」


 抱えた砲台はひとつの向きでピタリと止まり……

 ドラーグがトリガーを引く。

 砲から急激に"魔感"にかかるエネルギー反応が高まり爆発的なパワーが口から飛び出る!


 (エフェクト)をまとった砲撃が砲口から放たれる!

 同時に強い風の魔力が噴き煙と共に排出されドラーグはしっかり受ける。

 砲弾は凄まじい速度で飛来し……


 翼まで誰にも当たらずうまくすり抜けて大量の(エフェクト)と共に大爆発を起こした!


「「うおわぁ!?」」


 爆煙は敵方向に流れたものの凄まじい衝撃。

 確かにこれは効きそうだが……


「やっぱり危ないじゃないか!!」

「だ、大丈夫ですよ! 当たらない位置とタイミングで撃ってるので! 次いきますよ!」

「……パパ、えらい」

「うーん……とにかく頼んだ」


 兵たちの怒りももっともだがダカシは続行の判断をくだす。

 まあ確かに正確だった。

 それにしてもあれは無反動砲か!?


 無反動砲は簡単に言うと発射と同時に反対側へ同じ勢いで何か発射し発射砲台の反動を抑える仕組みだ。

 とは言えドラーグがガッチリ身構え受けてたしまだまだ試作段階みたいだけれど……

 風の魔法を兵器が同時に使っているのか……なるほど……


 当然リチャージとリロードに時間がかかるらしくドラーグは砲台に行動力を送り込みつつガチャガチャと操作している。

 翼は未だ健在。


「俺たちもそろそろ次へ行こう! 兵器が到達したなら目に見える変化はそろそろのはずだよ」

「みんながここまで斬り付けているから無事ではすまないはず。みんな、任せたよ!」

「「ああ!」」「うん!」


 次が行っていない最後の弱点だ!







「ところで少し気になっているんだけれど……」

「うん?」


 空を飛び回るのを中断し私達は魔王に張り付いていた。

 ハチャメチャに暴れだして下手に動くとはたき落とされてしまうためだ。

 やはり私達のことをうっとおしく思う程度には効果があるらしい。


 それに兵器も設置完了しだい砲撃したり魔法ビームを放ったり(もり)を撃ち込んだりしている。

 わずかずつだが確実に削ってきているが……

 グレンくんの顔はどことなく晴れなかった。


「螺旋軍は、どこへ?」

「ああ、うん……螺旋軍ね。螺旋軍は……実はもう撤退したんだ」

「ええっ!?」


 グレンくんの驚きも無理ない。

 これからと言うときに螺旋軍は撤退したのだ。

 だから応援にはおそらくもうこない。


「まず第1に螺旋軍は(フォウス)教のためグルシムたち神の支援受理を拒否したということ。そしてもう1つ、彼等は魔王を倒すならば別の用意をしなくてはいけないため準備しなおすからっていっていたけれど……」

「そ、それじゃあ少し待てば……」

「うーん、でもその準備、一体何日……いや何月かけるつもりなんだろうね」

「あ……」


 グレンくんも気づいたらしい。

 そもそも(フォウス)教は蒼竜の教えが広まり強い帝国外からきた者たちだ。

 果たして国を越え再度戻ってきてなお戦うまでにはどれだけ再準備時間をとられるのか。


 つまり今戻るというのは事実上ここを捨てられたということでしかなかった。


「彼等らへ期待するよりも、こっちでどうにかしなくちゃならない」

「ああもう、ジャグナーさんたちのところへ早く向かわなきゃ……!」


 なんとか魔王の動きが落ち着き出す。

 疲れたのかどうかわかはわからないが魔王の身体から離れる。

 今度こそ向かう場所こそ左背翼だ。


 向かった先で奮闘するジャグナーたちと分厚い斧を振るう大翼がいた。

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