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千二十二生目 砲台

 アヅキがメイス使いの大翼に突っ込んで行く!

 アヅキは山伏のような姿をしているものの烏が人型になったようなもの。

 自前の背翼を器用に羽ばたかせ空の戦地は我々鳥のものだと主張する。


 敵のメイス振り下ろしをそちらへ向っているのに当然のように横を抜けさらに加速。

 メイスが戻ってくるまでの間に大翼の前まで到着した。


「アヅキに続けー!」

「「オーッ!!」」

「すごい……どんな感覚があったらあんな動きが……」

「普段飛ばない人には理解しきれない感覚があるんだろうな……」


 鳥魔物隊はアヅキのすぐ後に続く。

 華麗に編隊飛行をして避け向かっていく。

 いっぽう陸の魔物やニンゲンはさらに遅れ安全になってから飛び込んでいった。


「そらっ!」


 アヅキが扇を振るうごとに風が巻き上がり(エフェクト)によって翼が次々に切り刻まれていく!

 さらに鳥魔物たちが別の翼に猛撃しすぐにとんぼ返り。

 遅れて他の兵たちも飛んでくる。


「「ヤーッ!!」」

「「ウオオオーッ!!」」

「動きを周囲と合わせろ! 乱れれば死ぬぞ!」

「すごい……即席なのに……!」


 メイスがアヅキ狙いの横薙ぎをしてくる。

 しかし意にも介さずひらりと飛んで避けおまけの竜巻をはなっていく。

 みんな違う戦い方で成り立っているなあ……


「ここはぜひ我々……私めにおまかせください、補助感謝します、勇者もな」

「う、うん」

「頼んだアヅキ!」

「ははっ!」


 グレンくんや兵たちには明らかに声色が変わって怖いのがひとつの欠点だが……

 それでも彼等は戦えている。

 むしろ不純物は私か。


 補助もしっかりやったし次だ次!







『おまたせしましたー! 兵器が順次到着しまーす!』

『ドラーグ! ついに来てくれたのかあ!』

「あ、ローズさん! 兵器たちが!」

「うん、こっちでもチェック! ついに大打撃を与えやすくなる!」


 私達が尾の中央付近に移動している間にドラーグたちが兵器を運んできた。

 ちゃんとコロロも頭上にいる。

 そしてドラーグに紐で繋がれぶら下がっている器材。


 それは鋼鉄の砲。

 複雑な機構を持ちドラーグならば抱えられそうな代物。

 複数の兵たちが飛行概念を付与された砲を共に運んでいた。


 そのまま私達と同じ尾の方へ飛んできていた。

 他の兵器も徐々に運び込まれアチコチに設置されていく。

 ただドラーグのはドラーグが持って他の兵たちは離れていった。


 あれもしかして空中で使う気か……?

 ともかく尾真ん中あたりにいたのはたぬ吉とダカシだ。

 たぬ吉はいつもの草ゴーレムで全身を覆いキャストオフして逃げることを繰り返し……


 ダカシはその2剣に悪魔の力をまとわせて翼を裂いていた。


「はあっ!」

「ここは……細剣?」


 たぬ吉が引きつけギリギリでゴーレムを自身に取り込み脱出。

 敵刃の音速を超えた速度を出しているもののその全体があまりに大きいため正体に一瞬把握が手間取った。

 これはあまりに大きすぎる細剣だ。


 よくしなり剣としては異様な細さが特徴の刃。

 それでも私達からすれば魔王翼が扱うその刃はまるで柱。

 当然そんなもの当たれば私達が吹き飛ぶ。


 ここはここで武器の速度がかなり早くしなる関係で読みにくいものの役割分担がうまくいっているらしく見事な回避をしていた。

 翼もそろそろ目に見える変化がほしいところだ。


 ドラーグも無事魔王周囲に展開される網を通過。

 こちらへと近づいてくる。


「みんな! 勇者の力を!」

「補助魔法を!」

「ローズとグレンか! 助かる!」

「ありがとうございます!」


 勇者の力を貰い魔王特効と防衛力を手にしダカシはさらに強く切り刻んでいく。

 たぬ吉も腕をツルで伸ばして殴りつけたり周囲の兵たちの射撃で引きつけていた。

 もちろんスキあらば他の兵も突っ込みすぐに離脱を繰り返す。


 もはやみんな敵の大型武器にひるまず魔法をなるべく打たせず立ち回れているためかなり効率良くなっている。

 慣れてきた頃が危険。

 敵の攻撃は惰性でこなすのを許してくれないのだから。


「「ウオオオーッ!!」」

「やあっ、たあっ!」

「おまたせー! 加勢していくよー!」

「……それ、前衛はどいたほうが良いか?」


 ダカシが不安げに見るそれ。

 ドラーグが抱えている砲はあきらかに巨大。

 敵の武器もバカみたいに大きいがドラーグも負けていない。


 さすがに数十階建てビルぐらい大きそうな魔王と比べればドラゴンで20mそこらのドラーグとその砲では小さいが……

 なんだかひたすらゴツく存在感がある。

 まあ敵大翼も所詮魔王のほんの1部サイズしかないしね。


「いいえ、クワァコロロと練習していた成果、見せますとも!」

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