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千十八生目 張付

 私はインカ部隊のもとを離脱して他の部隊へと向かった。

 弱点は全部で7箇所。

 うち叩けているのは4箇所。


 だが次々強力なメンバーが来てくれて全箇所叩けるはずだ。

 それまでに持たせるため味方たちを持ちこたえさせねば。


『手が足りないところは?』

『こっちだ! 来てくれ! 最初のアレにオレが当たっちまってな……!』


 今の念話は……ダンだ。

 ビームを食らって"クラッシュガード"が剥げてしまったのか。

 急がないと。


 ダカシにアヅキそれにたぬ吉とジャグナーが来る。

 ドラーグは別の重要なことを任せていてコロロと共にさらに後から。

 ……よしダンとグレンくんたちが狙っている弱点の3つ首うなじ付近が見えた!


「ってあっ!? ちょっと!?」


 まずい……身体が大きく動く!

 魔王的には単なる半身翻しでも……

 こっちは大事故の原因だ!


『掴まれー!』

『うわぁ!? 動くぅ!?』

『網に当たるなー!』


 魔王自体の身体も凶器になれば魔王の身体周辺を覆う網結界も牙をむく。

 遅れればどうなるかわからない。

 だからこういうときの対策として……魔王に先に張り付いてしまう!


「……ッ!」


 身体の振りは張り付いた側……つまり気を抜くと振り払われてしまう!

 Gが凄まじく空気圧が高速飛行しているときのこわさを思い起こさせる。

 くう……ドラーグの大きさがかわいくみえちゃう……!


 だが魔王と私達の大きさの差はそのまま張り付きやすさにも繋がる。

 毛だろうが皮膚だろうが鱗だろうが掴む所だらけだ。


 ……ふう……やっとおさまった。

 振り回されて三半規管が狂うかと思ったよ。

 なんとかまたおとなしくなったらしい。


 もちろん踏み込んだり戻ったりしながら頭と頭がぶつかりあい腕を振り払ったり尾で山々を吹き飛ばしたりしているが……

 魔王的には小ぶりの動きでしかない今必死に食らいつくしか無い。

 もし飛ばれて速度に乗られたら作戦続行がかなり困難となっていく。


 プランはこのままできうるかぎり続行したい。

 変更するかどうかは相手の動き次第にかなり縛られるのはキツイが……

 とにもかくにも支援だ。


 3つ首のうなじ。

 そこにもまた戦闘中なダンとグレンくんそれに数百の兵士たち。

 そして魔王の能力である3対6枚の大翼と宙に浮く槌。


 あんな見た目からして黄金の塊で殴られるような重量のもの喰らいたくないな……

 振り回されている現場に飛び込んでいく。

 ちょうどダンが早めに下がってグレンくんが勇者の剣を振り槌をそらそうとしているところだった。


 けれどあれではいくら勇者の力全開でも重さで負ける。

 この距離なら……あれが出来るか?

 "時眼"を自身に加速効果で適用!


「それっ」


 ダイアモンドのような(エフェクト)を私の前につくりだし……

 それを槌へ向ける。

 本当はもっと時間をかけたいがグレンくんが吹き飛ばされる方が早いから反動多め覚悟で荒く作る。


 まだ離れていくくらいならこれが便利。

 "ダイヤモンドブラスト"!

 物凄い勢いで塊を発射!


「クッ! うっ……耐える!」


 網まで自身を吹き飛ばさないよう気をつけつつ"飛行の極意"で体勢を立て直す。

 砲撃された塊は無事槌に着弾。

 グレンくんが押しつぶされる前に横へ抜けられた。

 "時眼"解除。


「「ローズ!」」

「みんな! 今のうちに魔法をかけなおす!」


 進む方向をうまく立て直し今度こそ接近。

 一応"見透す眼"もやってみてはいるが魔王を透けさせることができない。

 見えなければ直接ワープはできないからなあ……


 とにかく全体化した土魔法"クラッシュガード"を撒く。

 "二重詠唱"では"クラッシュガード"の効果は割り増しされたりしないし同時付与限界数も増やせないので正直意味はない。

 変なところで応用が効かない!


 まあ唱えて置ける枠が精霊のおかげで

4つあり1つは緊急脱出用もう1つか2つを攻撃用に回すので常にサポート用が足りているのは良い。

 "ネオハリー"さまさまだ。

 槌が今度は下からかち上げされる前に大きくみんな避難。


「傷ついた者は!?」

「今のところは大丈夫だ! だが結構な数"クラッシュガード"が剥がされているのは見てのとおり! 頼んだぞ!」

「わかった! そうれ!」


 ダンの言う通り"クラッシュガード"が剥げている兵たちが多いしダンもない。

 "クラッシュガード"がなければ次の攻撃で大打撃を受けてしまうので……

 きっちりかける!


 もちろん距離は全員とってから。

 槌の下から上へとかちあげるのは距離的な問題で大きくハズレていた。

 それにしても……もしかして。


『武器と翼の距離だ。全員に通達して、武器は翼から一定距離離れられない』

『……やっぱり!』


 私の説を補強するかのようにちょうどオウカから念話が通じる全員向けに送られた。

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