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世奈の話を3人は静かに聞いていた。ときおり、美南やたつみんは谷野の顔をじっと見ながら頷くなりしていた。ニコは途中で声を出して頷いたり、「え~」などと驚愕した声を出しながら聞いていた。
「じゃあ、あんた野球うまいんだ」
世奈が話を終えた後、ニコが谷野に向かって言った。
「うまいのか、どうかは分からないけど」
谷野は少し笑みを浮かべて答える。
「ニコちゃんていうの、いい名前だね」
「だから、いきなり下の名前で呼ぶのはセクハラだっつーの!」
「まあ、いいじゃないニコ、どうやら悪い人じゃなさそうだし」
たつみんが、ニコをなだめるように言った。
「野球教えるのはすごくうまいんだこの人…」
世奈は、ニコの言動に少し不愉快な思いをしているようであった。
「じゃあ、うまいんだったら証拠見せてよ」
そう言った、美南は自分のバックからグローブを取り出すと立ち上がった。
「なんかさ、ソフトボールの練習、週に二回、土日しかないからたまに平日でも守備連したいんだよね。あんたノック打って」
美南はそう言うと、世奈からバットを取り上げて、谷野に差し出した。谷野は美南のその行動を見て、おかしくなったのかクスクスと笑いを起こした。
「分かった。全員グローブ持ってるか?」
「持ってます」
たつみんが答える。
「なら、全員自分が普段守ってる守備位置につけ!ノックを始めよう!」
谷野はギラギラとしたまなざしでそう言うと、美南から受け取ったバットで素振りを始めた。
今日は、問題があります!
著者は野球をしていました!
著者が中学生の時、遠征先でたまたま対戦したプロ野球選手は誰でしょうか?
答えは、私の活動報告にください!
ヒントもそこに書いてます!