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桜―サクラ―  作者: 柊 恵海
1/5

1 資料室はどこ?

―――それにしてもさっきの話は長かったなー……。


入学式だとか何だとか、○○式という物にありがちな校長の話。

何でだろうな、いつでもどこでも長いよな。


何故『校長』という人物はあんなに長々と文章を組み上げ、

それをすべて読むことが出来るのだろうか。


俺も校長になったら分かるのかなーと実際ありえないことを想像。

だが、もし、たとえ、確率が一億分の一だとしても、

俺が校長になった暁には。


「…話を五分で終わらせよう」


いや、むしろ総理大臣か何かになって

[校長は話を十分以上かけてはいけない]とかの義務でも付けたらどうだ?

うんそうだな。そっちの方が次の世代の生徒達に優しいだろう―――




とか言ってる場合じゃねぇんだよ。アホか俺は。



皆さんどうも、中島宏太です。

今日からこの『県立南野高等学校』に入学しました。

クラスは確か一年四組。


その俺が、とんでもない失態を犯しました。


「ここ、どこだよ…………」


どうも。


迷子発生です。

誰か助けて。



 *



事情を詳しく説明しよう。

俺は学校に来てから、まず自分の所属クラスである

[一年四組]へと足を運んだ。

その後、やたら筋肉質な男の教師がチャイムと同時に教室に入り、

二語、三語話してから廊下に並ばされ、体育館へ行った。

そう言えばその時「あれ…一人欠席か」とか言ってたな……

いやそれはどうでも良い。


そして、禿げかけの頭をした校長の長すぎる話を半分寝ながら聞き、

また自分達のクラスへ戻った。

一人一人自己紹介をし、偶然教師の真ん前の席であった俺が教科書を資料室から持って来る当番をやらされた。


……そして話は今に戻る。

俺は資料室に行く途中で道に迷ってしまったのだ。

全てはあの筋肉教師が悪いんだ。そうだ俺は悪くない。

あ、あの桜綺麗だな……あれ?ここって校舎内だよな?

などと現実逃避するが無理だった。


ああぁぁここどこだよ………!!



「お前はサボりか?新学期始まりから随分なことだな」



突然、人の声が聞こえた。


サボリって……俺のことか?

確かに事情を鑑みずここだけを切り取ればサボリに見えなくもないかもしれない。

ていうかこの声の主は一体誰だ?


ワケが分からずキョロキョロと辺りを見回す俺。


先ほど目に止まった綺麗な桜の木を見ると、



その木の下に座っている人が見えた。

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