俺とお礼と甘い菓子
閑話休題。
ここらでシリアスじゃない話を。
「お礼がしたい?」
「うん……。」
突然永遠に呼ばれた星屑は話を聞いて驚いた。
「この間助けてくれた……だからと思って。」
「いや、それは嬉しいけど何をするんだ?」
うーん……と永遠はしばらく考えるとと手を叩いた。
「わたしの好きなお店紹介はどう?」
「んじゃぁ………それで。空野が好きなものってのも気になるしな。」
「じゃあ次の日曜でいいか?」
星屑が永遠に聞くと、
「うん。」と言い、どこかへ行った。
当日。
待ち合わせ場所で暇を持て余してた星屑にいきなり"奴"が聞いてきた。
ア、ソウダお前は空野と月美ではどっちガ好みなんだ?
「ッぶ!?いきなりなんだよ?」
ははははと笑うと"奴は奥に引っ込んでいった。
「ふぁ〜あ、遅いな空野……。」
ありきたりだけど駅で待ち合わせをし、星屑は待っていた。
「星屑くん、待った?」
いつの間にか後ろに空野が来ていた。
「うわぁ………」
思わず星屑が感嘆の声をあげるほど永遠の私服は可愛かった。
「へん?」
「いや、なんかスゲぇカワイイから驚いて………」
ボッ。そんな音をたてて永遠の顔は一気に赤くなった。
「へ、あ……あ…ありがと………」
舌が上手く回らない。というより話せない。
「んで、どこ行くんだ?」
暑いのがあまり好きではない星屑はどこでもいいから、店に入りたい。と思うのだが、奴は、お前はそろそろ暑いのに慣れろよな。とか言ってくる。いや、「思って」くる。
「ん〜………あそこ。」
あそことは…………クレープ屋だった。
「俺……クレープとか初めてなんだけど。」
だからなにが美味しいのかがわからない。ツナとか、アイスとか、ジャムとかわけわからん。
「これ、食べてみて。」
指で凍ったマンゴーがトッピングされたバニラアイスのクレープを指し示した。
結局二人ともそれを食べることにした。
で食べてみた。
……………甘い。でもうまい。
「美味しいな………。」
素直にそういった。
「これ、好きなの。」
永遠が口いっぱいに入れようとしても、少ししか食べない感じは何処と無く小動物を連想させた。
なんて言うか、可愛かった。
「へぇ、こんな感じなんだ。奢ってくれてサンキューな。」
二人とも食べ終え、星屑は席を立とうとした。
「待って。一つ…聞いていい?」
早くしてくれよ。とはさすがに言えなかった。
「加那太は………月美と付き合ってるの?」
「が、……ブァ………ッ!?」
声も出ない。星屑の顔は百人中百人が、認める赤い顔。だった。
「ちげーよ。何つーか……ただの昔からの友達だぞ。何で急にんなこと聞くんだ?」
落ち着いた星屑は顔の色が戻るのを感じながら言った。
「……………………内緒…。」
もう一つ質問。と永遠はさらに追い打ちをかけた。
「好きな人…いる?」
「いないけど、なんで?」
こっちの質問には反応を示さなかった。
「加那太。………また一緒に来る?」
少し考え、星屑は言った。
「ああ!」
数日後。
永遠が星屑に言った。
「今日、また行かない?」
「早ぇよ!」
星屑はつっこんだ。
すいません誤字がありました。