はじめの一歩を進む前
この話は、一部、恐ろしい描写もありますがそれは、エグい話しにしようとしてる訳ではありません。
某国
国防施設 ペルンダ
その中心で血だらけでニ人、いや何百の死体と二人が話していた。
「や……め…ろ……それは、世界……を…!」
一人の男は倒れながら言った。
「こうしなければ人類は…どうなるか知ってるんだろ!やるしかないんだよ!」
もう一人はしっかりと立っていた。
「お前……は……***は本当に…それ…」
立っている男は持っている小瓶を割った。
瞬間、大きな光がそこら一帯を囲んだ。
7月19日
午後6時48分 学校にて
「お前だけなんだぞ、部活決めてないヤツ」
職員室で加那太は怒られていた。
M県M市の志水中学校は強制的に部活をしなければいけないのだが、石田はまだきめられずにいた。
「ですから俺は部活に入りたくないんです。なので部活には入りません。」
じゃあどうするんだ?と、先生の目が訴えていた。
それから数分して先生は、
「わかった。おまえ…[とでん部]に行け。」
はい?なんだ[とでん部]って?始めて聞いたぞ、
そんなの……
だいたいなんの部活だよ?とーでん部と聞き間違えたのか?どのみち聞いたことないな。
よくわからないがとりあえずそこに入部することになった。
その部の部室は学校の図書室を使っていた。そこに着くと、先生は、先生はこれで…と、
そそくさと何処か(おそらく職員室)に行ってしまった。
ガラガラガラ……失礼しまーす……………………って、
「何だありゃ!?」
あとから思えばそれは……運命だったのかもしれない……俺が<こんな風>になったのもこの時の伏線だったのかもしれない……。
このとき俺は、人生の分岐点に立った。
死か、幸福か、の。
そこにいたのはあらゆるものを超えた綺麗な
ロングヘアの金髪で綺麗な顔の女子がいた。
数秒間、俺の時間は止まっていた。
あまりの美しさに見とれていた。
「何か用?」
俺はそいつとは違う別の人に声かけられた。「あ、あのなんかここに入部することになったんですが……」と言った瞬間、
「え、マジ?入部希望者?」
「はい…何故か」
「やったーー!!入部希望者が今年は3人も来たよ!!!」
テンション高ぇ!!何だこいつ?!頭おかしいのか?
ん?……三人?たったの?
しかも三人[も]?一体なんで[も]なんだ?
「あの…もしかしなくてもこの部って……」
「すごい人数すくないよ。」
その女子(ハイテンション女、略してハイジョ、または排除と呼ぶことにした)はさらりと答えた。
あぁ、そういうことか。つまり、だ。
この部はいざという時の部活なんだな。俺みたいに決められなかったり、目の前のハイジョみたいなののための………。
「ふざけんな」
「へ?」
あ、口で思わず言ってしまったらしい……。
「あ!ほ、星屑くん!?」
「お、月美じゃん」
月美夜音、つまり今俺にきずいたヤツは昔から仲の良かった同学年女子だ。
ちなみに、スタイルがいい……ってなに考えてんだ俺は……。
「星屑くんもここに入部するの?」
こいつは何故か俺と話す時にモジモジすることが多い。
「まぁな。ってもしかしてお前も?」
「うん」
んじゃもう一人ってのは……だれだ?
「で、最後の一人があの子。」
そう言うと金髪の女子を指でさした。
あいつも……そうだったのか。
「んで、こいつらがキミの先輩方ね。」
ハイジョがいつの間にか連れて来た3人を紹介した。
左から、背の高くてかっこいいのが、
三浦イクト「先輩」。3年。
静かそうで凛としたのが、
四宮涼子「先輩」。三年。
メガネをいちいち上げて腹立つのが、
鍵矢蓮「先輩」。三年。………うぜぇ………………。
そしてみんなで自己紹介をして、今日は終わりになった。
ふぁ〜っ。
やっと部活が終わった………。
ハイジョに騒がれ疲れ果てた星屑はサッサと家に帰ろうとした。
ん?月美と金髪女だ……あれ?なんかあいつらチャラいのに絡まれてんな。
次の瞬間、車が隣に来たかと思うと、二人を誘拐した。
「もうあきらめろ。んでレイプされろ。」
どこかの廃棄された工場の中で二人は捕まっていた。
リーダー格にザコが言った。
「見ろよこれ、小説だぜ!」
小説の原稿だった。
「へぇ……作家さんか………なら!」
そしてそれを奪うとビリビリに破った。
「アッハハハッハ!!」
ドグァーーン!
鉄で出来たドアが吹き飛ばされた。
星屑がドアを壊し、中に入ってきた。
「んだぁ?!」
「邪魔だ。」
睨みつけていたザコを一人ぶっ飛ばした。
さらに星屑は走り、他のザコも一撃で気絶させた。
「てめぇ……なに俺の親友に手ェ出してんだよ……なに人の大切なもん壊してんだよ…………………んな資格…………………………………だれにもねぇ!!!」
リーダー格に殴りかかった。リーダー格はそれを受け止める。
「死ねや!」
思いっきりけられた星屑だが……全く効いてなかった。
「表裏一体を分かつ災いよ……今この力を…
正と負に分け、悪しきを消せ…………………………うらああああ!!!!!」
両手を合わせて前に出し、開いた。
信じられない!!
あり得ない!!
そんな言葉が不良の心の中を支配した。
なぜなら、目の前のヤツがいきなり"炎"と、
"氷"を空中から出したからだ。
「お前が死ね。」
驚くほど冷静に言い放った。そして………。
左手に持ってる"氷"を投げた。
「ひ……ひゃぁあ………ふぁ……あああ!」
リーダー格が凍った。さらに、
右手に持ってる"炎"を投げた。
超低温の状態のものと、超高温の状態のものがぶつかると、温度が0になる際に、その温度差で爆発を起こす。
リーダー格は弾け飛んだ。
これが………これがそうなんだ………。
これこそが星屑くんの力なんだ。
月美はそう理解した。
同時に、助けてくれた"星屑くん"にたいする「思い」は大きくなっていった。
「大丈夫か?二人とも……?」
星屑は二人に手を差し伸べながら言った。
「うん……あ…あの…………ありがとう…」
どういたしまして。でも、これは……………これは…………俺が俺のためにしてるんだ。私利私欲の為だったんだそんな俺が…………感謝される筋合いは本当はないんだ。でも…
「無事で良かった。」
んで、金髪を見る。立ってない。いや立てないつまり、notじゃなくcan'tなんだろう。
それはそうか、あの原稿つまりおそらくは、
あいつが書いた原稿が破られたショックがまだ体を駆け抜けているんだ。
星屑は金髪の手を握り立ち上がらせる。
それでも、それでも「オレ」たちは前に進まなきゃいけないんだ。立ち止まったらダメなんだ。目の前の「恐怖」から逃げちゃダメなんだ。
唐突に星屑は言った。
「名前…………聞いてなかったな。」
「え?」
急に聞かれて金髪はテンパってる。
「俺は星屑、星屑加那太だ。お前は?」
少し口ごもった後、に
「空野永遠、永遠!」
よろしくな!の一言で俺の時は動き出した。