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プロローグ
ゆらゆらと、波に揺れるような感覚。
目を開けることはできなくて、辺りの様子はわからない。
横になって眠るような状態のまま、ゆっくりと沈んでいく。
どうしてこんなことになっているかもわからない。
ただゆっくりと、身を任せて沈んでいく。
やがて静かに身体がどこかに辿り着いた。
背中に感じるのはごつごつとした地面。
なんとなく周囲がざわついているのはわかる。
それまで重くて全く開けなかった瞼をそっと開く。
瞳に映ったのは、曇天色の夜空。
どこか外に寝ているのだと思って、半身を起こす。
目の前に広がったのは、多種多様の魔物たちと、その中央に佇むこの世界の王だった。