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「こ、こっちへ向ってきてるでつ!」


 この緑丸を始め、ご老公も蜜柑も道端に身を寄せ、馬の集団をやり過ごそうとしたのだが――


「あ、危ない!」


 ご老公目がけて、そこから放たれた一本の手裏剣。これを蜜柑が、居合いぬきで見事地面へと叩き落した。

 それを見た緑丸


「赤蝮党でつか!」


 その時、一旦通りすぎた馬の集団がUターンし、再び三人に向って走ってきている。

 だが緑丸、ここで瞬時に風向きを察知し


「ここは僕に任せるでつ!」


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