二百字掌編シリーズ 『僕、少年忍者 伊賀の緑丸』

１４３

「そうじゃな、ボロボロじゃわい。じゃあ、お次は周りを見てみ？」

　言うとおりに、辺りに目をやった緑丸

「畑も荒れ放題でつね」

「ああ。じゃがな、年貢はお構いなしに取り立ててくるんじゃ」

　そう言った爺さん、緑丸にハッキリと

「兄ちゃんは、お江戸で暮らしてるからわからんかもじゃが。地方の農民はな、ここと似たようなものじゃて」

「あ、あい」

「士農工商？　農民は一番下に決まっておるわい！」

　これには、何も返答できない緑丸。