二百字掌編シリーズ 『僕、少年忍者 伊賀の緑丸』

１３４

「ぬおおおおおおお！」

　諸に相手の回しの奥深くまで突き刺さった指。これには、さすがの関の山も泡を吹いている。

　そして緑丸、己の指を見つめながら

「土里留式カンチョーの術が完成したんでつね」

　だが、安心したのも束の間。その首を一本の鞭を襲い

「う！　誰でつ？」

「フッ。ミーは、鞭使いのサド侯爵ざんす！」

　この男、口髭を蓄え、おまけにシルクハットまでかぶっている。

　そして

「ユーの術、ちゃんとこの目で見てましたざんす！」