ダンジョン
「……治郎、宗治郎!」
「うぉ!ビックリした。……母さんか」
「何が母さんか!なの!この大量の青いスフィアボールは?」
「買って来た!最後に行った老舗のスフィアボール屋で大量にゲットして来たんだ」
「そう、じゃなくてこれ名前が書いてあるけど?この中身?」
「そうだよ、欲しいのがあったら使っていいよ」
「いや、いいわよ」
と部屋に散らばった青いスフィアボールを眺めている。
「そう?この『若返り5歳』なんていいと思うけど?」
さっき見つけたレアな代物だ。スキルでもジョブでも無いのがあるなんてな。
「い、いるわ!」
やはりスフィアにはいろんなモノがあるなぁ。
「ご、ご飯にするからそろそろ片付けなさい?」
「はいよっと」
すぐに『インベントリ』に収納してダイニングテーブルに座る。
今日は餃子らしい。
父さんの大好物だな。
父さんも帰ってくると、ご飯を食べながら今日の出来事を話す。
「宗治郎は今日もスフィアボール集めか?」
「だね、まぁ、今日で終わりだけどね」
「じゃあ、帰るの?」
と母さんが聞いてくる。
「うん、あっちも心配だしね」
「そう、寂しくなるわね」
「また来ると思うよ?またオークションに出すのができたからね」
流石東京、青玉が大量に手に入ったからね。
「そうか!なら良かったな!」
「えぇ、でも宗治郎もダンジョンでレベルを上げなさい?スキルだけじゃダメよ?」
「やっぱり?だと思ってたんだけどね」
さすがにスキルだけじゃ自分の身を守ることが出来ないなぁと思ってたところだ。
「なんなら会社の社員を使う?」
「いや、いいよ。うーん、なら少しこっちでレベル上げてから帰ろうかな」
「よし!じゃあ飲もう!」
父さんはスキップしながら冷蔵庫に向かう。
「あはは、現金だな」
「あの人はいつもそうよ?」
と言って少し遅い時間まで飲む事になった。
翌日は近くのダンジョンに行く。
池袋東口ギルド、
『ダンジョン』とは異次元世界である。
その異次元の扉を守っているのが『ギルド』であり、組合の様なものだ。
流石に丸腰ではいけないので装備を買う。
「まぁ。まずはこんなところか」
革鎧と剣とブーツで100万越えか。
とりあえず新品の装備に着替えてダンジョンに入ろうとすると、
「あれ?『青玉』?」
と声が聞こえて振り返る。
「ん?あぁ、あの時のお客さん」
「うわぁ、見違えたね!凄いイケメンじゃん!」
「ほんと、ビックリしたわ」
「あはは、子綺麗にしろって親から言われてね」
「それにしても変わりすぎでしょ」
と話すのは『全属性魔法』と『収納』を買ったエリサとノゾミだ。
「え、1人でダンジョン?」
「まぁ、攻略メインじゃなくてレベル上げがメインだから、危なくない程度に進むよ」
「あ、なら私達も一緒に行くよ」
と胸を叩くノゾミ。
「いいの?」
「そりゃ、いいに決まってるでしょ!これでも『攻略者』なのよ?新人1人を連れて行くくらいはできるわよ?」
攻略者とは『ダンジョン』を最下層まで攻略した者を言う。
2人してついて来てくれるそうだ。心強いな。
「『サンダーショック』」
俺の魔法でゴブリンが霧になりドロップに変わる。
「へぇ、魔法使い?」
事前に虹玉の『全属性魔法』を使っておいた。
「いや、ジョブ無しだよ」
「じゃあ、スフィアボール?」
「まぁ、そう言う事だね」
と言いながら先に進むと『神眼』が隠し通路を発見した。
「ここいけるね」
「は?いやいや、真っ直ぐしか道がないんだよ?」
「ほら。ここ、取っ手があるよ?」
と壁を押すと取っ手が出てくる。
「え!裏ダンジョン?凄っ!」
「入ってみるね」
「「うん」」
そのまま扉をまっすぐの行くと、道に赤い帽子を被ったレッドキャップと言うゴブリンがいた。
「『ファイヤーボール』」
「グキャアァ」
「それ!」
とノゾミが切り裂いて霧になる。
途端にレベルが上がったのか体が軽くなった気がする。
「レッドキャップは5階層の敵よ?」
「こんなとこがあるなんてね!」
『神眼』のおかげだな。
さて、先に進んでいくと、宝箱が置いてある。
「きゃぁぁ!宝箱なんて何年振り?」
喜ぶ2人に『神眼』が罠がある事を告げる。
「待って、罠があるから俺が開けるね」
『神眼』でみると後ろから開ければ問題ないな。前に居ないように言って、
「開けますね」
と蓋の内側から毒針が発射される。
「宗ちゃんやるぅ!」
「あはは、中身は?ピアスか?」
「あ、可愛いピアスだね!」
紫の宝石の付いたピアスが一つ。
「へぇ、魔力のピアスで魔力が上がるらしい」
「宗ちゃんピアス開けてる?」
「ん?開いてるけど塞がってないかな?」
とつけてみると本当に魔力が上がった様だな。
「似合うね!」
「いいのか俺がもらっても?」
「いいよ、私達もピアスはつけてるしね」
「なら貰うよ、ありがと」
「それよりここから下に行けるね!」
とノゾミが言う、階段があるみたいだな。
降りて行くとオークがいた。
「6階層のオーク?」
「へぇ、こんなふうになってるんだね!」
「って!『ウインドカッター』」
魔力が上がった分威力が増している。
「おぉ、宗ちゃんやるねー」
「いや、2人とも無防備すぎるだろ」
「私達はお供だからね?」
と何かあった時のために抜刀はしている。
まぁ、『攻略者』だし、そうでなきゃあんな高い買い物は出来ないよな。




