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ブルー・スフィアボール(神の眼で現代を成り上がる)  作者: 盾乃あに


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父と母


 髪の長い子は雹道英里紗(ヒョウドウエリサ)さん。ショートカットの子は中藤希望(ナカフジノゾミ)さんと言うらしい。


「でね、私達パーティーは何とか生き残ったの」

「それは大変でしたね」

「そうなの!運が良かったのよ!」

「あの時は死んだかと思ったもんね」

 と言う様に冒険者は流石に危ない橋を渡ってるんだな。


「あ、ごめんなさい、つい喋りすぎて」

「それに食べ過ぎちゃった」

 まぁ食い過ぎだが冒険者は身体が資本だからな。

「いいですよ、若い子は食べて喋って笑ってるほうがいいからね」

「宗ちゃんは若いよ!周りより全然!」

「そうだよ、私達の周りはゴツいおっさんばっかだし」

「あはは、ありがとうございます」

 と言ってエリサとノゾミはお腹いっぱいになった様でお会計のときは、

「「ご馳走様です」」

 と元気いっぱいにお礼を言ってくれた。


 連絡先を交換して別れると、父さん母さんのマンションに着くが、まだ午後2時だ。

 流石に早かったようでまだ帰って来てないな。


 ブラブラしているとスフィアボール屋が目についた。

 おしゃれな外装で高級店なのがわかる。

 入ってみると赤いスフィアボール以上が並んでいるので青はないのかと尋ねる。

「青いスフィアボール?ここは赤からしか扱っておりません」

 と冷たくあしらわれた。

 追い出されるように店から出る。


 やはり、こう言うオシャレな店は俺には合わないようだな。


 それからもゆっくり散歩して、いい頃合いなのでマンションに戻りインターホンを押すと母さんが帰って来ていた。

『今開けるわね!』

 オートロックが開き、中に入ってマンションの最上階の部屋の前。

 少し身だしなみを整えてインターホンを押す。

「久しぶりね宗治郎」

 とスーツ姿でロングヘアーを靡かせ、ピシッとしている母さんがドアを開ける。


「ご無沙汰、久しぶりだね」

 久しぶりに会うと緊張するな。

「あんた彼女は?そのスーツいつのやつ?髪もボサボサで!今から切りに行くわよ!」

 矢継ぎ早に言うと、バッグを取ってドアに鍵をかける。

「え、別にいいよ」

「いいから行くの!」

 と引っ張られてエレベーターで地下の駐車場まで行くと、車に乗り込みどこかに電話をかける。

 こう見えて大手化粧品会社の社長をしている。


 車を走らせると、

「はぁ、あんたのそのだらしないのはお父さん似ね」

 と言われるが、外の景色を見ながら、

「母さんにも似てるだろ?」

「私はそんなだらしなくないわよ!」

 怒る事ないと思うけどなぁ。


 車を停めると、まずは美容室で髪をカットしてもらいサッパリしたら、今度は服屋で着せ替え人形の如く着替えさせられると、最後は靴屋でブーツとスニーカーを買ってもらった。


「あんた、もとはいいんだからちゃんとしなさい」

「……分かったよ」

 さっきまでの俺じゃない様だな。


 家に帰ると父さんも帰って来ていてみんなでディナーに行くことになった。

 タクシーを使い、高級ホテルに入って行く。


 父さんは少しくたびれた感じだがイケおじの部類だろう。

「宗治郎、スフィアボール屋は儲かってるのか?」

「うん、オークションで二つ売れたからこっちに受け渡しで来たんだよ」

「へぇ、何のスフィアボール?」

 赤ワインを回しながら母さんが聞くので、

「『全属性魔法』と『インベントリ』」

「「は?」」

 と、食べる手を止める2人。

「嘘じゃないよ?2人にもお土産で、『収納』ね」

 と金のスフィアボールを2つテーブルに置く。

「おま、これ」

「へぇ、凄いじゃない!ありがたくいただきましょう」

 と金のスフィアボールを開ける母さん。

 遅れて開ける父さん。

「使い勝手がいいわね!」

 とナイフを出し入れする母さん。

「だろ?」

「これ、いくらすると思ってんだ?」

 金額を気にする父さんは母さんの会社で働いている。

「いいのよ、宗治郎が『気持ち』をくれたんだもの」

「……そうだな!ありがとう、宗治郎」

 父さん母さんには必要だろうからな。

「気にしないで、スフィアボールなら沢山あるし」

「な、本当か?」

「うん、ほら」

 とインベントリから両手に金のスフィアボール出す。

「さすが私の息子ね!なんでも成功させちゃうんだから!」

「いや、店は閑古鳥が鳴いてるよ」

「あはは、爺さんの店だもんな、しょうがないさ」

 父さんも、よく分かってるじゃないか。

 爺ちゃんの店は国の補助金でなんとかなってたくらいだしな。


 まぁ、爺ちゃんの残してくれたものでどうにかなったからなぁ。


「それより私は孫の顔が早く見たいわね」

「それは運がなかったね」  

 と、ステーキを頬張る。

「貴方がそんなんだから寄ってこないだけよ」

「まぁ。今はまだ爺ちゃんの店が楽しいからね」

「ほんと、誰に似たんだか」

 父さんの方を見てため息をつく。

「そうか?イケメンになったじゃないか?」

「そりゃ、私がしたのよ!最初きたときなんて」

 とディナーは楽しく進み部屋に帰るとまた酒を飲む母さん。


「俺は寝るよ?」

「分かったわよ、ちゃんと孫のことも考えなさいね」

「はいはーい」

 手をひらひらさせて客間に布団を敷いて寝る。

「べつに結婚願望は今のところないんだよな」

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