中国
オークション本部に出向くと、
「私がここの本部長の渡会淳と申します」
「秘書の小林です」
と名刺を出してくるので、俺も2人に名刺を渡す。
「あー、『青玉』の店長をしている近衛宗治郎です。と言うか一ついいですか?」
と言うと少し身構える渡会と小林。
「はい」
「一応客なんですけど、対応間違ってません?」
少しホッとした顔をし、申し訳なさそうに、
「申し訳ない、こちらから往復のチケットを送ろうとしたんですが、もう来られるとは」
と言うことは俺が先走っただけかよ。
「あ、待ってれば良かったんですね」
「できれば、はい。もちろんチケット代はお出ししますので」
と腰の低い渡会。
「分かりました、では『鑑定』はどちらで?」
「はい、こちらにどうぞ」
と応接室の様な場所に通されると、
「こちらの小林が『鑑定』を持っていますので」
「なら、はいどうぞ」
と箱に入れた虹玉を置くと、
「『ショップ』ですね、すごいですよこれ、は?……なんでも現金があれば買えるじゃないですか!」
「そう見たいですね」
と目の色が変わる小林からスフィアボールをインベントリに入れる。
「あ、私が買います!」
「バカなこと言うな!そんな職員がいるか!」
と怒られる小林。
「あ、も、申し訳ありません」
「本当に申し訳ない、こちらが至らないばかりに」
と渡会が小林の頭を下げてくる。
「まぁいいですが、これは目玉になるんじゃないかと」
「はい!そうですね!オークション史上最高額になるかもしれません」
それではこれでと、迷惑料に10万を渡されチケット代ももらい家に帰る。
家に帰ると久しぶりにテレビを見る。
父さんとニュースを見ながらあーだこーだ話をしていると、『スフィアボールオークションに初の『ショップ』の虹色スフィアボールが出品される』
と今日の今日でニュースになっていた。
「……これ、おまえか?」
「そうだよ、凄いねニュースになるなんて」
「マジかよ、これいくらの値がつくんだ?」
父さんと喋っていると母さんが出てくる。
「これは荒れるわよ?お金さえあればなんでも買えるなんてね」
「まぁ、もう一個あるし、別に気にしてないけどね」
「まだあんのかよ!」
父さんが大声を出す。
「それこそ宗治郎が使ってみたら?凄さがわかるかもよ?」
「んー、そうかもね。使ってみるか!」
「使うのかよ!」
もう!父さんがうるさい!
スフィアボールを出すと使ってみる。
虹の光が俺に入って行くと、ショップが使えるようになった様だ。
「ショップオープン」
“ブウゥン……”
と画面が出て来て硬貨、札、カードの投入口があるな、母さんはすぐに美容の方を見ていると、肌が若返る化粧水にピントを合わせる。
「宗治郎!これを買って!」
「はいはい、んじゃ、カードで行けるかな?」
とカードをいれると、残高が表示される。
「一・十・百……」
と残高を数える父さんと化粧水を買う俺。
“ドサッ”と段ボールで出てくるものを母さんが開ける。
まぁ10本あれば足りるだろう。
「宗治郎!足りないわ!千本は欲しいの!」
「どうすんだよ?千本も」
「そりゃ分析して作るに決まってるでしょ?」
『神眼』で見てみると、
「んー、スライムボールと化粧水を錬金すればできるよ」
『神眼』で作り方もわかる様だ。
「錬金術?貴方!錬金術を取りなさい!」
「サーイエッサー!……と言う事で宗治郎。錬金術のスフィアボールをくれ」
「……本当にもう、虹だからそれなりの値段するんだからね?」
と渡してやる。
「いい息子を持ったよ」
「いや、そんなんで言われてもうれしくないぞ!」
父さんは錬金術のスキルを習得した。
「よし、これで我が会社は安泰ね!」
「俺も出世したな!」
「「あーはっはっはっは」」
と2人で笑っている。
それにしても色々売ってるな。
『エリクサー』『スフィアボール』『ポーション関係』『武器・防具』となんでもある。
やはり値段はビックリするほど高いけどな。
でもこれが出回るのは今回だけにするか。
まぁ、もう無くなってしまったんだがな。
オークションが見たいと言うのでまだ東京にいる俺は、ノートパソコンからスフィアボールオークションを見てみる。
開始時間からもう2億の値がついている。
アメリカと日本とロシアがグングンと値段を押し上げて行く。
中国も途中参戦して戦争の様になっている。
錬金術もそれなりの値段がついているが、ショップの比じゃない。
結局は1000億でアメリカが競り勝った。
錬金術は中国が競り勝った様だが、どちらにも行かないといけないのか?
しばらくすると中国からは取りに行くとの連絡が来たのに対し、アメリカは持ってこいとのことだった。
強気なこって……俺はアメリカ行きのチケットを取る事になったが、まずは中国から来る落札者を待つ事にする。
3日ほど暇ができたのでダンジョンに潜ってレベルを上げる。
オークション本部からの連絡で、中国の落札者が来たと言うのでそちらに向かう。
一応スーツで行くと、渡会が下で待っていてくれた。
「本日はありがとうございます」
「いえ、アメリカには持って行かないといけませんからね」
「そのようで」
とエレベーターのなかで渡会と話をする。
最上階の応接室で待っていたのは可愛い女の子だった。ロングヘアーを纏めておりチャイナドレスでいかにも中国という格好だな。
しかもボディーガードが2人も後ろにいる。
「私は王明林、あなたは?」
「俺は近衛宗治郎、この度はお買い上げありがとうございます」
日本語が上手くて助かるな。
「ふーん、イケメンね!私と結婚しない?」
「あはは、これでも36なんであまり若い子は」
「ふふふ、私は20歳、そんなに歳の差は関係ないでしょ?」
とこれでもかと誘惑してくる。
「とりあえず座りましょうか?」
と渡会がナイス提案をしてくれるので座って話をする。




