お菓子の詰め合わせ
目の前にはお菓子の詰め合わせがあった。
「ハッピー! やったね」
私は喜んでお菓子の詰め合わせを手に取る。
箱の中に沢山のお菓子が入っている。
私の愛と努力の結晶達。これ一つ一つが私にとっての勲章なのだ。
詰め合わせお菓子を一つ手に取った。
箱を開けるとスティック型のクッキー生地にチョコが塗ってあるお菓子だった。
私はそれを食べる。
「おいしい。ハッピーすぎる」
感謝の気持ちが溢れ出ているかのように、お菓子たちは甘くておいしい味を私に味合わせてくれる。
「おいしい、おいしいね」
そして思う存分食べると、私は外に出た。
今日も街を歩く。
これがいつもの私の習慣だった。
薄暗い路地に入っていく。日の光は建物に隠れ、グレーの石畳が更に黒くなる。
そこには今日も子供がいた。
初めて見る子供だ。
ぼろぼろの服を着て、泣いている。
……なんて可哀想なんだろう。助けなきゃ。
「ハッピー。どうしたの?」
「……お母さんがいなくなっちゃったの。どこにもいなくて。おかあさーん!」
子供は大泣きしてしまった。
「そっか。ならこっちにきて? うちで休もう?」
そういうと子供の手を取り、家に向かった。
そして家にはお菓子が沢山ある。
「うわあ! これ食べていいの?」
さっきまで元気がなかった子も、これには大喜びだ。
「勿論どうぞ。お腹いっぱい食べていいからね。それでハッピーになれるよ?」
「ありがとう!」
子供はもうお菓子に夢中だった。
お母さんのことも話さない。
ただお菓子を食べて、お腹いっぱいになって。
そのまま寝てしまった。
ソファの上でぐっすり寝る子供。
「ハッピー。おいしいお菓子を食べれてよかったね。これで私もあなたも皆ハッピー!」
そうしていると、子供の身体が溶け出した。
その体は溶けて丸い綿菓子みたいになって。チョコレート色の泡がブクブク膨らんでくる。
そしてゆっくりと形を変え、見慣れた姿に形を変える。
そこには一つのお菓子ができていた。
「ハッピー! やったね!」
私は喜んでお菓子を詰め合わせの入った箱に入れた。
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