日輪の波
掲載日:2025/11/15
川緑に黄昏の色混じり
水に映る雲の影は白々として
ひとつふたつ枝から木の葉が落ちる速度で
この流れに何かをそっと置いてゆきたくなる
日輪の波に木の葉が透けてあたたかそうにしている
魚か跳ねる音 つがいの鴨がならんで進む後には
ススキの穂が揺れるような波紋
夕焼けを追い掛けて
自転車を漕ぐ 川の流れと一緒に
水雲と一緒に、鴨や川魚、
電車や車、歩く人々と同じように
心象の中に楓が揺れていて、心の中で呼びかけると
何故か涙がながれた
この涙も一緒に自転車に乗せて
風にほどかれよう
夕陽に抱かれよう
もう、やさしさなんて言わないで
臆病なだけの言い訳にしてしまいそうだから
ただあの歌を想うと少し強くなれた
欠けたカタチが不思議と寄り添えためぐり逢い
歌が流れることで血が通う心脈、
ひとつふたつ枝から木の葉が落ちる速度で
この流れに何かをそっと置いてゆきたくなる
川には水輪が広がりつづける
何処かへ 何処かへと流れてゆく




