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スカートなんて履きたくない  作者: 餅月 響子


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第2話 友情に花開く

咲夜と翼は、お化け屋敷を後にすると、

次はどこに行こうかとマップを確認する。


体育館では軽音部のライブがあること。


他の催し物はコスプレ大会が

昇降口付近で行われているようだった。


書道部では、

パフォーマンス書道が見られるらしい。


演劇部では今流行りの2.5次元俳優っぽい

演技を見せてくれるらしい。


漫画研究部と文芸部がコラボして、

オタ芸を披露するとも書いてある。


化学部では、でんじろう先生顔負けの

実験パフォーマンスがあるらしい。


咲夜と翼はどれにするか迷いながら、

結局のところ決めかねずに、

昇降口のラウンジで休むことにした。


「人ごみが多くて、気疲れしちゃうね」


「そうだね。

 さっき小学生とか風船持って

 走ってたよ。

 どこでもらえるんだろう」


「そうだね。咲夜、何飲む?」


「私は、ミルクティー飲みたいな」


「分かった。

 自分は、コーラかな」


 翼は、小銭を入れて

 ミルクティーのボタンを押すと

 すぐにコーラのボタンを押した。

 ペットボトルがガタンと落ちた。


「写真いかがですか?」


 浴衣を着た人とクマの着ぐるみを着た人が

 ラウンジを通り過ぎる。

 着ぐるみのクマの手には

 たくさんの風船があった。


「あれ、風船じゃない?」


「そうだね。

 何部がやってるのかな。

 行ってみる?」


「うん」


 翼と咲夜は、ズンズン進んでしまう着ぐるみと浴衣の女子生徒に着いていく。


「あ、あの!

 その風船」


 翼は風船を指さした。

 ヘリウムガスが入っている風船だった。

 ぷかぷかと浮いている。


「風船が欲しいんですか?」


「うん」


「このクマちゃんと写真を撮ってくれたら

 差し上げます」


「あー、写真。

 そっか、写真部?」


「そうです。

 写真撮りますか」


写真部の部員は、インスタントカメラを

持っていた。


「それね。

 んじゃ、お願いしようかな」


 咲夜と翼は、クマの体に触れて、

 ぎゅーと抱きしめた様子を写真に

 おさめた。


「良いですね。

 撮りますよ〜

 はいチーズ」


2人は、クマを中心にハグをした。

インスタントカメラで撮った写真は

じわじわと浮かび上がってきた。


  

「写真とこちらですね」


出来立ての写真と風船を2つもらった。

赤と青の風船だった。


翼は、青を。

咲夜は、赤をもらった。


「やった。ぷかぷかの風船は

 なんかテンションあがるよね」


「うん、そうだね」


 2人は、笑顔で受け取った。


 しばらくその風船を持ったまま、

 学校の外をうろうろと歩いた。


 特に何をするわけではなく、

 歩いていると

 中庭のベンチに翼の中学の同級生が

 いたらしい。

 咲夜とは初めて会う人だった。


「あれ、はるか

 久しぶり。

 元気にしていた?」


「うん、翼じゃん。

 高校一緒になってから

 クラスバラバラだから滅多に

 合わないもんね。入学式以来かな」

「そんなに?

 ごめんね、逆に声かけなくて……」」


「んー、大丈夫。

 その子は?」


 悠は、ベリーショットボブの髪型で

 目がぱっちりしていた。

 まつ毛が長い。


「ああ、同じクラスの子。

 東中なんだってよ」


「えーほんと。

 私、坂本 悠。

 よろしくね」


「あ、うん。翼と同じクラスの

 齋藤 咲夜。

 仲良くしてくれると嬉しいな」


「もちろん。

 そしたら、一緒に見てまわろうよ。

 あ、この子は、

 私の連れ」


佐藤 友紀奈(さとうゆきな)

 よろしくね」


 友紀奈は、おとなしめの

 ストレートの黒髪が綺麗だった。

 猫のような目のお姉さん系の人だった。


「よろしくね」


「自己紹介も済んだことだし。

 バンド見に行こうよ。

 流行りの曲演奏するって言ってたよ」


「そうなんだ。

 行こう行こう」


 翼は言う。


「咲夜だよね。

 一緒行こう」


 悠は、どことなくジェントルマン。

 女子だけど、まるで宝塚のような

 雰囲気でかっこよかった。


「あ、ありがとう」

 

 少しドキッとした。

 男子が好きなはずなのに、

 女子にときめいている私がいると

 感じた咲夜だった。



 体育館からドラムの音が響いていた。


 

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