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6.

 保護フィルムを本に貼り付ける作業は、最初こそは難関だが慣れてくると気泡を残さず貼りきった時の幸福感は計り知れない。

図書係員としては、この工程が一番の腕の見せ所だ。

百崎さんはローベースながら綺麗に貼れるようになり、正直図書係長にさせてもいいと思ってる。けれど流石に全てを丸投げしては百崎さんの体力と精神に支障が起きる。

なので柴田さんと役割分担して作業してほしいのだが、分かる通り不器用な上に矢鱈やたら注文が多い。

更に、本に対して本当に愛着があるか疑わしいところもある。


小泉:データ確認が終わった、次は気泡を取る作業に取り掛かる。

柴田:仕分けですね、任せてください!


そう言って机に積んだ本を前に腰掛けると、一冊手に取った。

そして顰蹙(ひんしゅく)するように表紙を見たと思うと


「はい、ボツぅ。」


と言い(なが)からの段ボールに放り投げた。

僕は唖然あぜんとした。

図書委員としてあるまじき粗略(そりゃく)な行動で不意に狂いそうになった。

併し注意する隙もなく柴田は次々と気泡の入った本を乱雑に入れていた。

幸い、本に傷は無かったが幾ら何をやっても上達しないからと物に当たってはいけない。

それを柴田に説得出来る力や勇気があれば、どれ程良かっただろうか。

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