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ダグラス・リドナーに手錠をかけられたアリソン・ポリゴナル・ストライカーヴィッチは悔しそうに表情を歪めた。
「私の計画は完璧だった!一体どこで破綻したと言うのだ!」
ダグラスはアリソンの肩に手を置く。
「最初からさ。
俺の街でお痛は許さねえぜ」
その言葉にアリソンはヒザから崩れ落ちた。
その姿を見た神崎 岬が来てダグラスに頭を下げた。
「危ないところだった。助かった。ありがとう」
「そいつは良かった。
こんな可愛いお嬢さんに礼を言われたんだから今日は美味い酒が飲めそうだ!
だけど、その物騒なモンは相棒に預けな。アンタにはグロックよりも似合うモンがいくらでもあるぜ」
そこで岬はもうグロックは必要なくなった事に気付いた。
「あ。ああそうだな」
持っていたグロック26 Gen.2.5をマグワイヤに預けた。
「いい活躍だったぜ」
岬のグロックを受け取ったマグワイヤは岬と握手を交わした。
後に続いてミサと警備員のジョンも歩いて来た。
ミサは安全になったと知り大人しくしていたがジョンは手錠をしているアリソンを責めた。さっきの演説でバカにされたのを根に持っていたのだ。
「おいアンタ!おれが落ちこぼれだって言いたいのか!?」
アリソンは顔を上げた。女テロリストの何かに火が点いた。
「ああそうだとも!そんな歳までグロックを持たない警備員なんぞ落ちこぼれ以外の何だと言うのだ?」
「だったらアンタはブタ箱の中のブタ野郎だ!」
「なんだと?我々は立ち上がったのだ!貴様と違ってな!」
2人は汚い言葉をぶつけ合った。
ダグラスとマグワイヤは今まで似たような場面を何度も見て来ていたのか溜め息をついたりしたがそれ以上は何もしなかった。
ミサはスマホで音楽を聴き始めた。
「はっ!ブタ箱に入るなら世話ねえな!」
「貴様は何もしないで生きていただけだろう!」
「それが賢い生き方なんだ。
おれは頭が良くないがアンタみたいに騒ぎを起こしたりはしなかった」
「なんだと!バカのクセにバカにしやがって!」
「これからブタ箱に入る奴の方がバカなんじゃないのか?」
そこで岬は2人の間に入った。別にケンカを止める訳でもなく、醜い争いに怒った訳でもなく、ただ疑問に思った事を口にした。
「2人とも、もう会わないんだから、そういうのはどうでも良くないか?」
アリソンとジョンは何も言えずにいた。岬が言い放った一言はどんなグロックの一撃よりも強烈だった。




