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警備員のジョンが神崎 岬とミサ・サミュエルが車に乗ったのを確認し出発しようとしたその時だった。グロックから放たれた1発の弾丸。それが車の足であるタイヤを撃ち抜いた。
「くそ!どうなってやがる!」
ジョンは岬に、安全だと言ったのはお前だろと喚きたくなったが後で苦情を言われそうだと思い、止めた。
「おかしい!テロリストは皆、4階にいるハズだ!」
実際は地下で金庫破りをしているテロリストはいたが、その他のテロリストは4階にいる。通常のグロックでは当たらない距離だ。
岬は思わず4階の窓を見た。
「アリソン!アリソン・ポリゴナル・ストライカーヴィッチ!」
そう。テロリストのリーダーが4階からグロックで狙撃したのだ。
だが通常のグロックでは狙撃は不可能。
それを可能にするグロック。女テロリストの手の中のグロックはグロック34 Gen.5 MOS/FSだった。
Gen.5のグロックのグリップは最も握りやすいグリップだ。そしてグロック34の銃身はとても長かった。その上、FSつまりスライド前部に滑り止めのギザギザが付いているのも何気に便利だ。そしてこの狙撃に最も貢献したMOS。これによりマイクロドットサイトと呼ばれるパーツを取り付けられ遠くからでも良く狙えるようになった。
正に世界最強のグロックだ!
「隠れるぞ!」
岬は2人を連れて駐車場へ走った。並べられた車の間へ隠れてやり過ごすしかない。
だが走っている途中で岬の着ているプレートキャリアの背中側にグロックから放たれた弾丸が命中した。
グロック34の長い銃身で目一杯に加速された9ミリ弾がプレートキャリアを打ち砕いた。
「くっ!」
3人は駐車場の車の影に隠れたがアリソンが下りて来たら不利だった。




