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そんなの嫌だ



 剣士ルートのお礼参りイベントは無事終了。


 ここではイベントはあったものの、全くルートは決まっていない。

ちょいちょい出てくる剣士・ウィル、モブ友キースとヒロインメーベルさん…それ以外に接触があったのって…悪の組織……。

これじゃ進まないよね……


………ん?

学園長バースデーパーティー……っていつだっけ?


こんなに直前になっても女子生徒が浮き足だってないって……なんで?




只今、A とBクラスの合同授業。


右隣にはキース

左隣にはメーベルさん

そして真ん中に私が座っている。


「パーティーってどうなったの?」

「延期になった。ミコとウィル様のせいで。」


なんですと……?


「ミコが街で騒ぎを起こして、そこにウィル様が加勢した…って捕まった奴の何人かが言ってるらしい」


「それ、信じてらっしゃるのかしら……その……警察は……」


「ウィル様は信用あるから大丈夫」

「……それは私が信用ないということ?ねえ?メーベルさんもそう思う!?」

「いえ…そんな事は……」

 しっかりちゃっかりメーベルさんの隣に座って、観察しながらこれからの事を考えようと思う。

 その前に、メーベルさんがキースに恋心さらわれそうになってるのを止めないと!


「メーベルさん、イチゴ摘みの日なんだけど、キースと悪者以外で誰か見たりしなかった?」


「どなたにも会いませんでしたし、すれ違ってもいません。」


やっぱり…ウルフルートは完全削除かぁ…


「メーベルさん、あの時はごめんな。こいつが『摘んできたイチゴ食べたい』とか我が儘いったせいで…」


「そんな…キース様が助けて下さいましたし…その…」

 ……キースを見つめるメーベルさん。


「何?どうかした?」

 とっても優しい笑顔のキース君。


「いえっ!…何でもありません……」

  赤いホッペで目をそらすヒロイン・メーベルさん!!


モウダメデスネ。

完全に恋しちゃってますよ、メーベルさん……こんなに近くに座らせた自分を呪う!!



未開のルートが出来てしまいそうな予感…!!


 いや、これはまずい…本気でヤバイ……!



「ミコ・テンプラ君」

「はい」

「君は残りなさい」

「ん?何で?」

 皆は授業が終わって、部屋からでていってるのに。

「俺ら先行くから。メーベルさん、放っておいていいですよ。」

「ひどっ!?ってちょっと待ってっ!!」

 

 今キースとメーベルさんを2人きりにしちゃダメなのよっ!


「テンプラ君、君は成績悪くなくても落第すれすれなんだぞ。」


なんですって!!


「この理の試験、君1人だけ27点だ。」

「27っっ!?」

「放課後追試。」

「はい………」



 どんだけ頭がよろしくないの!?私!!

ここまでとは思わなかった!

『理』日本でいう『物理』だ。

私の大っ嫌いな科目!!

でも、現実(まだ夢かもしれないという気持ちを棄てきれてない)ではそこまで悪くなかったよ!?


 教室に帰っている途中である。

 ゴン!!

「いたっっ!」

 頭に何かあたった。

 石だった。

「建てつけ悪いのかな?」

 天井を見ても、そんな素材じゃないけど。

 あたった箇所を触るとヌルッとした感触…

「って血がでてる!!」

 ん?

 まわりをよく見ると、遠巻きに私を見ている人が沢山。

 怪我人助けようよ!!

 ここのモブたちって、今一優しさに欠けるよね。

「どなたか医務室がどこか教えて下さい!」

とりあえず、包帯よ!包帯!


聞いても誰も答えない上に、サッと離れていった。

まさか誰も教えてくれないとは……


「いたっっ!」


今度は後ろから石が飛んできた。

それは背中にあたったから、さっよりは痛くないけど。


 この角度がらいくと、建てつけ…とかじゃないね。

 誰かが私に投げつけたんだわ。


カランカランカラン

「あっ!次の授業が!!」

 怪我うんぬん言ってられない!

 なぜなら落第スレスレ女子!授業出席数だけは皆勤賞でありたい!!


カラン

ガラッ!

「セーーフッッ!!」

ギリギリ間に合ったわ。私の脚力、素晴らしいんだね。

「えっ…と……。」

皆が私を見ていた。

「間に合ってますよね?」

「ミ…ミコ君、早く医務室へ行きなさい!!」

「でも授業が」

「そんな状態でうけられる訳がないだろう!」

「まぁ、血は出てますけど、拭けば別に何てことないですよ」

「何を言ってるんだ!早く行きなさい!!だれかミコ君を!!」


 他の人は『嫌』って顔がもろに出てるし、ここは指名してもいいよね。


「じゃ、メーベルさんでお願いします。」


「あの……大丈夫ですか?ミコ様…」

「大丈夫!このくらい」

「……このくらい…と言える量では無いと思うのですが…」

「そう?」


「何だこれー!!」

 医務室にある鏡を見て叫んでしまった。

 思ってた以上に血が流れていた。

「メーベルさん、もう死ぬかもしれない。」

「ミコ様!!」


まぁ、それくらいで死なないけども。




包帯もキリッと頭に巻いてもらった!!

「さて、戻りますかっ!」

「大丈夫なのですか?」

「余裕っ!」

 落第スレスレ女子としては、授業欠席などもってのほか!!






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