先に言っておいて3
「いいだろう。望み通り、一騎討ちだ。」
厳ついオッサンが出てくるかと思いきや、赤髪の長身イケメンがでてきた!
おのれ…モブのくせに……
「テンプラちゃん、騎士団主催の剣術大会で見事準優勝の子だよね。剣士泣かせのミコ様」
「え?私結構強いの?想像以上なんだけど…」
「それは、相手を舐めてるって聞こえるよね」
「滅相もない!このまま穏便に終わらせたいと思う所存っ!」
「それは無理でしょ。だって試し斬りしたいとこだったし」
「試し……」
相手も持っているのは刀だった。日本刀ブーム!?
「その刀、折れないようにしてね。俺が持って帰るから。」
「これは学園長コレクションの借り物だから、渡す訳にはいかないわ!!」
相手が剣じゃなくて良かった。重くて上手く受け流せないし、力で来られたら刀ごと潰される。
それから、最新情報!
私はつよい!
モブの私にもチートってのがあるのかもしれない。そもそもチートってどんなもんか知らないけどね。
あ、もしかして、誰も寄ってこないのは…私なら大丈夫と思ってる?
もう、敗ける気がしない!無駄な自信が芽生えはじめた
「試し斬り……なるほど。少なくともお前が持っている刀の数だけ人が死んだという事か…お前に刀を持つ資格はない!このテンプラが成敗してくれるっ!!」
言い終わるか終わらないか…
キィィーンと音がして、刀身が地面に突き刺さった。
天才剣士が男の刀身を折り、首に刀の先端を突きつけていた……
勝負あり!
勝者 天才剣士!!
私も長身イケメンも唖然だ。
「大丈夫か?」
「うん………ありがとう」
「無理はするな」
「………剣術大会、優勝者?」
「…ああ…お前も強かった」
「そう…(レベルが違いすぎるけど)」
剣士は『人が集まる前に帰る』…と、寮にもどった。
……案外優しいヤツじゃない。
なんで、この天才剣士ルートだけ全ルート死亡エンドなの?
「あっ!キース、こっちこっち!!」
「ミコ!!大丈夫かっ!?」
「うん、剣士が助けてくれたから。まぁ、私でも勝てたんだけどね~」
ウソです。
あの時はアドレナリンでてたから調子にのってたけど、冷静になったら怖くて死にそうデス
「聞きたい事があるんだけどさ、もしかして、私の名ってテンプラなの?ミコは姓?」
「ああ。」
ミコ・テンプラ…天ぷら……
嘘でしょ…