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駄菓子戦争  作者: ゲジ
9/13

女子のメモ帳折るスキルあれって尊敬に値する。

 前回までのあらすじ

 翔太は眠さのあまり算数の授業中眠ってしまった。しかし、それは同盟を結んだ裕哉によるフエラムネの効果だった。裕哉…お前は味方か敵か。

 そう考えていると裕哉は翔太に良かれと思ってやったんだと話す。確かに寝たお陰で体が軽いような?

 そんな話をしているところに謎の女の子が乱入!



 翔太と裕哉の前に突如現れた女の子は、何か折り紙のような物を机に置いた。


「なにこれ?」

 翔太と裕哉は二人声を揃えて視線をそれに当てる。


 周りではラブレター?だとか、告白してるやついるぞ!と大いに盛り上がっている。

 なんとうるさい事この上ない。


 翔太は恐る恐るそれに触れようとしたが、例の女の子が制止する。


「まだ、ダメよ」

「そうね、30分後。30分後になったら開けなさい。いいわね?」

 そう言うと凛とした態度で教室を後にした。

 なんとも彼女の後ろ姿に見惚れている裕哉を軽く叩き翔太はどう思う?と聞いた。


「どう、って可愛いでしょ」

 鼻の下を伸ばしている裕哉をもう一度叩いた。


 どうも裕哉は緊張感に欠けるというか、天然というか悪いやつではないのだがもう少し警戒してもらいたいものだ。


「この手紙だよ!この手紙をどう思うか聞いてんの」

 翔太は声を荒げて言った。例の折り紙のような物、冷静に考えればすぐに分かった。

 よく女子がコソコソ授業中に作るメモ帳を折りたたんだ手紙だった。


「あぁ、それのことか。」

 翔太にとってはむしろどれのことを考えてたんだよともう一度、叩きたい気持ちがあったが抑える。今はこの手紙をどうするかだ。


「やっぱり、言われた通り30分後開けるべきなんじゃない?」

 裕哉の見解だった。


「確かにな。」

 翔太も同じように考えていると急に

「帰りの会始めるぞー」

 担任の島田先生の声がした。

 やばい、こう言った手紙の類は先生に見つかると没収されかねない。

 翔太はすぐポケットに入れた。


 それからというもの、帰りの会はいつも通り行われ、特筆すべきことはなかった。

 ただ、最後に「あ、ちゃんと明日までに算数の宿題やってくるんだぞ」と島田が言うので、翔太は算数の授業を丸々寝ていたため少し億劫な気持ちになった。


 まぁ、裕哉に教えてもらうか。

 授業中眠らせたのは裕哉なんだからそれくらいはしてもらわないと困る。


 そんなこんなで、いつも通り帰りの会は終わった。


「はい、じゃあ気を付けて買えるように。」

 島田はそう締めて、クラスメイト達はクラブ活動の準備をしたり、もう少し教室に残る者、すぐさま家へ直行する者に別れた。


「俺たちはどうしようか?」

 裕哉は翔太に聞いた。


「そりゃ手紙を開けるけど、30分後っていうのはそういうことか。」


「え、なんか意味あったの?」

 裕哉には例の女の子の真意が伝わっていないようだ。


「まぁ、まず開けよう。」

 そう言って翔太は綺麗に折り込まれた手紙を開ける。一度開いてしまうとあまり器用ではない翔太は二度と戻せない作りになっていた。


「よし、開いた。」

 どれどれと覗き込む裕哉と一緒に手紙の文を見る。


 そこには、『ブタちゃん公園で待つ』と丸文字で女子らしさを感じる一文が書かれていた。


 内容に関しては女子らしくないが。


 その手紙はラブレターではなく果たし状だった。


 それに30分後に開けろというのも、帰りの会が終わる時間だったからだろう。


「でもどうして、こんな回りくどいことを?」

 裕哉は翔太に聞いた。


 裕哉も少し考えたが、おそらく帰りの会はそのクラスによって長さが変わる。そのため彼女より先に帰りの会が終わり、手紙を開いて指定先に行ってしまうと彼女にとって不都合が生じるのだろう。


 しかし、そんなことは推測の域でしかないし、今はもう一つ考えないといけないことがあった。


「どうして、あの子は俺たちが参加者だって知ってるんだ?」


 翔太の真剣な呟きに裕哉は「女の勘?」と言ったので翔太はさっき堪えたのと合わせて思いっきりぶっ叩いてやった。

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