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皇国歴595年 5月26日 (スッゴく良いお天気)
今日は待ちに待った、アル君の5回目のお誕生日♪
昨日はちょっと曇ってたからお天気が心配だったけど、今は綺麗な青空が広がってるから、ホント良かったぁ〜♪
午前中は皇太子の嫡男として初めてのお披露目を、謁見の間で行うだけだから、それほど天気は関係ないけど、午後からは城の中庭を開放して子供たちだけでのガーデンパーティーになるから、お天気は良い方がいいもんね♪
まぁ、アル君の年齢より、もう少し年齢が上な貴族の令嬢ちゃんたちは、日焼けとかを気にしだすのかも知れないけど☆
そ・れ・に!
このガーデンパーティーはアル君の将来のお嫁ちゃん候補を探す為のモノでもあるから、どんな子が来るか、今からとぉ〜ても楽しみ♪
ま、第一条件としてアル君が気に入らないと、だけど、私としてはアル君と並んだ時お似合いになるような、可愛い子がいいなぁ〜
アル君てば、ダーリンちゃんよりは私に似てて、金髪に淡いブルーグリーンの瞳で、もうお人形さんみたいに可愛いんだから♪
昨日の衣装合わせの時も、どさくさに紛れて女の子のワンピ着せてみたら、ホンっトに似合ってて可愛いかった♪
ま、このラノベに似た世界に転生して、自分が金髪碧眼なのにはびっくりだったけどね☆
ダーリンちゃんは金髪、ってより金茶っぽいし、瞳もアイスブルーでちょっと見ただけだと冷たく思える、アイスなだけに(なんてね♪)
あ!早く行かないと、朝食食べ損なっちゃう!!
続きはまた、夜にでも書こうかな?
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「おかあさま、おそいです・・・」
何時もなら、もう半ばまで食べ終わってるであろう時間が過ぎてるのに、母であるソフィリアの姿がまだ見えず、今日五歳の誕生日を迎え、本日のイベントの主役であるアルフォンソは、不安そうな顔を、父のアルフレッドに向けた。
アルフレッドが目配せをすると、侍従が音もなく近付き、アルフレッドに耳打ちをした。
すると、プライベートな食堂であるからか、珍しく表情を崩し僅かに苦笑しながら
「お母さまはもう部屋を出てるから、間もなく来るだろう」
とアルフォンソに告げた。
その時、食堂の扉が開き、何時もより早足でソフィリアが入って来て、侍女に椅子を引かれ着席する。
「おはよう、遅れましたわ。ごめんなさいね、アルフォンソ」
心配そうに母を見るアルフォンソに気付き、そう声をかけると、アルフォンソはふるふると頭を横に振り
「おはようございます、おかあさま。
いつもよりおみえになるのがおそかったので、おからだのかげんがわるくなられたのかと、しんぱいしておりました。
だいじょうぶそうでよかったです。」
その言葉に感激したように、瞳を煌めかせたソフィリアが口を開く前にアルフレッドが
「今日は色々と予定が詰まっている。何時ものようにゆっくりと話をしながら食べる時間は、無いようだ」
と、若干配膳する速度が上がっている給仕に目を遣りながら、一度話しだすと長くなるソフィリアが、話をするのを阻止する。
その言葉に侍従たちは、少し目を伏せてアルフレッドに感謝の意を伝えてくる。
その後、何事もなく朝食は済み、各々の支度の為私室に戻って行った。