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これでプロローグは終わり

 皇太子が名前を言った時、私の中で何かが繋がった。



『アルフォンソ』は、私が好んで読んでたラノベの中の登場人物であり、かなりのイケメン皇太子だったはず。その両親の名前が『アルフレッド』と『ソフィリア』だったけど、作中に一回か二回しか名前が出て来なかったから、何となく聞き覚えがあるような気がしつつも、ほとんど忘れていた。

 そりゃ何処かで聞き覚えがあるはずだわ、何てったって自分の名前だったんだから。

 しかも、ラノベの作者が後書きに書いてた裏設定によると、アルフォンソの名前は、母親であるソフィリア(つまり今の私だけど)が

『アル君、歩くん?』

 って言いたいが為に、皇太子に提案した名前だったらしい。

 皇太子も『アルフレッド』で『アル』から始まるから、そう言ってみたかったけど流石に言えないから、もっともらしく、皇太子の名前と自分の名前からと言う事にしてたみたい。


 その後書きを読んだ時、思わず飲んでたお茶を吹き出しそうになったのを覚えている。

 あの時はベッドに寝転んで本を読んでたから、もし吹き出してしまったら、本もベッドも大惨事になる!

 って思って、必死で口を閉じて堪えたものだから、鼻の奥がツンとして、涙まで出て来たものだった。


 まあ、それはさておき、『アルフォンソ』と言う名前に否はない。

 ラノベでは私が提案した事になってたのが、皇太子の側からの提案である事に若干の違いと違和感はあるけど、取り敢えずは同じ理由による名付けだから、構わないと思う。




「とてもいい名前だと思いますわ」


 さっき、息が止まるほど驚いてたのを、さもいい名前に感嘆したかのように取り繕い、皇太子に向かってにっこりと微笑む。


「そうか!君も賛成してくれるんだね!ではこの児の名前は今からアルフォンソ『アルフォンソ・オブ・アレキサンドリア』だ!」




 っっ!!!

 アルフォンソ・オブ・アレキサンドリア、って・・・・・


『マンゴー』と『マスカット』やないかぁ〜いっっ!!!





 そう思いつつも、皇太子にツッコミを入れる訳にもいかず、内心大笑いが止まらないのを我慢し、顔が引き釣らないよう必死で笑顔を保っていた。



 そうこうしてる内に、侍女頭から


「ソフィリア様はご出産直後でお疲れですから・・・」


 と、声が掛けられ、皇太子にやんわりと退出を促す。


「ああ、そうだな。嬉しくて舞い上がってしまっていたようだ。

 ソフィリア、お疲れさま。本当にありがとう、ゆっくり休んでくれ」


 そう言って、皇太子アルフレッドは戻って行った。



 はぁぁぁ〜〜〜

 何とかなったぁ〜〜〜〜

 疲れたぁ〜〜〜

 お腹すいたぁ〜〜〜


 あっ!

 アルフォンソにお乳あげないと!


 そう思い侍女頭(名前がまだ思い出せない)にアルフォンソの事を尋ねると、すでに乳母がお乳をあげており眠ったとこだ、との事だった。そして


「ソフィリア様は昨夜から何もお召し上がりになれない状態でしたし、今も、もうお昼もかなり過ぎましたのでお腹もおすきでしょうから、軽食をご用意させて頂きました。」


 と、紅茶と共に一口サイズのサンドイッチ、スコーン、マフィン、それにオムレツとサラダ、色とりどりの果物なんかがワゴンで運ばれて来て、ベッドサイドのテーブルにセッティングされていく。


 侍女頭、マジ有能!!


「ありがとう!実はお腹ぺこぺこだったの!」


 すると侍女頭は緩く笑みを浮かべ


「お産は命懸けであり、体力勝負ですから。食べ終わられましたら一眠りしてくださいませ。お目覚めになられたら、まだ湯あみはできませんので、お身体をお清め致します。」


 と、言ってくれた。


 そうして私は軽食を食べ終わると、意識を失うかのように眠りにすいこまれていった。

 目が覚めたら、今度はアルフォンソを抱っこ出来るかな?って思いながら。





すみません。

『アル君、歩くん?』って書きたかっただけなのは、私です(汗

『アルフォンソ・オブ・アレキサンドリア』が『マンゴー』と『マスカット』なのも・・・



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