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まだまだプロローグ

「皇太子殿下がお見えになられました。」


 扉の側に控えていた侍女にそう告げられ、そちらに目をやると、結構大柄でハンサムとは言えなくもないかなぁ、って感じの男性がベッドの側まで若干ソワソワとした様子の大股で近付いて来た。


「無事に生まれたと、しかもそれが男児だと聞いて、居ても立ってもいられなくて・・・良く頑張ってくれた。本当にありがとう!!」


 そう言って私の手を包み込む様に両手で取りながら膝まづき、潤んだ瞳で見つめてくる。


 うん、タイプではないな。


 皇太子妃としての意識からは、この男性が私の夫であり、この国の皇太子であり、生まれた児の父親である事はわかっているけど、前世の記憶を取り戻しつつある現在、顔の造作だけを見ると、残念ながら私のタイプではなかったが、政略結婚でありながら夫婦仲はかなり良いようであった。

 それはそれとして、どうもココは前世の私が知っている世界っぽいが、いまいちハッキリしない。

 どこか違和感を感じながらも、私の手を取っている男性に


「もったいないお言葉です。ありがとうございます」


 と答えると、如何にも『不満です』と言う表情で


「私たちは夫婦になり、今こうして児にも恵まれたんだ。もうそろそろ、もっと砕けた言葉使いでも良いと思わないかい?」


 と言ってくる。

 私としては、前世の記憶のせいで今までと同じように話せる自信がなかったから、もちろん『否』はなく、むしろ言葉使いが崩れる前にそう言ってもらえて良かったとの安堵の方が大きい。


「畏まりました、いえ、わかりましたわ、旦那さま」


 私がそう答えると、嬉しそうに顔をほころばせながらも


「旦那さまも良いけど、名前で呼んでくれた方がもっと嬉しいな」


 と言ってくる。


 ・・・ヤバい、名前、何だっけ?何故かソコの部分の記憶だけが、前世、今世ともに、霞がかかったようにボヤけて、思い出せない!!

 内心焦りながらも、そうとは見えないようにはにかみながら


「いきなりは恥ずかしいので、おいおいでお願いしますわ。そうそう、名前と言えばこの児の名前は、もうお考えかしら?」


 と、話をそらしてみた。

 う〜ん、周りの侍女たちの目が生暖かい。

 が、しかし!皇太子の意識を私から反らす事には成功した!やったね♪


「お、そうだった。一応候補はいくつか考えてはいたんだが、最終的には児の顔を見てから、君と一緒に決めようと思ってね」


 そう言いながら、侍女が抱っこしたままになっていた児を皇太子がこわごわと受け取り、児の顔を見ている。


「う〜ん・・・そうだなぁ、私が『アルフレッド』で君が『ソフィリア』だから『アルフォンソ』はどうだろう?」


 !!!!!

 お、思い出したぁぁぁぁぁ!!!!!






次でプロローグは終わるはず・・・

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