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ドリンク購入、そしてお土産も購入。

味のほうは個人的主観です。

「とりあえず……、100円のジュースにしようか、それともコンビニでペットボトル? うーん、悩む。……もしくは屋台のジュースっていう手もあるよね?」


 道路を歩きながら、周囲を見渡しながら呟く。

 わたしの声は周りの祭りを楽しむ学生たちの声に掻き消されて行き、消えて行く。

 ……時折見える電●ソーダの屋台を見るのだけど、これって電球型のペットボトル容器で飲むだけなんだよね?

 それに付属としてぴかぴかと光る電球型のライトが付いてるってだけで……。


「電●ソーダはパス、それじゃあグレープフルーツジュース? ……苦過ぎるのよね」


 丸のピンクグレープフルーツを専用の機材に刺し込み、グルンチョグルンチョとシェイクしていき、最終的に中でジュースになってしまっているそれに、少しだけ太めのストローをブッ刺して出されているのを見つつ……移動する。

 ……でも、普通に自販機やコンビニのジュースは何時でも飲めるし、この場でしか飲めない物を飲もうかしら?

 そう思いながら、周囲を見て行くと……ある屋台を見つけた。


「……レモネード、これで良いかな?」


 呟きながら、わたしは目的の屋台を目に収める。

 黄色で統一された屋台、中には大量のレモンと三●矢サイダーの1.5Lボトルが何本も置かれている。

 それを見ながら、わたしは注文を行う。


「えっと、Sサイズひとつください」

「350円ね」

「500円で良いですか?」

「はい、それじゃあ……150円のお釣りね」


 そう言って、500円を払って150円を受け取ると屋台の店主であろうチャラそうな男性はレモネードを作り始める。

 まず始めにレモン1つを半分に切り、それを専用の搾り機に入れて下にプラスチック製のカップを用意するとレモンを搾り始めた。

 搾られたレモン汁が下のカップへと注がれ、半分が搾られると残り半分をセットし、搾り機をググ~ッと押さえつけていく。

 そしてレモン汁が溜まり、そこへとサイダーが注がれていく。シュワシュワと透明な泡が立ちながら、サイダーはカップの中に満たされて行き……9分目ほどになると注ぎ終えたのか、傾けられたサイダーは戻され……マドラーで軽く書き混ぜてから蓋がされて、赤いストローが刺された。

 ……実際のレモネード販売をしている店はどうなのかはわからない。だけどこの屋台ではこんな感じに行っているようだ。


「お待たせしました。はいどうぞー」

「ありがとう」


 そう思っていると、出来上がったレモネードが差し出されたので、それを受け取りわたしはその場を離れる。

 ……まあ、悩んでても仕方ないか。それぞれの店の味があるって考えれば良いことだし。

 結論付けて、レモネードを口にすることにしよう。そうしよう!


「ん、ちゅ~~……、こくこく……ぷはぁ……♪」


 赤く硬めの直立ストローに口をつけて、吸い始める。すると、三ツ●サイダーの味にレモンが混ざった味が口の中に広がる。……うん、まんまだわ。

 というよりも、●ツ矢サイダーの味と甘みが強すぎてレモンの味が活かし切れていない。

 何と言うか、残念な味……。もう少しでも良いから改良は……出来ないよね、屋台だし……。

 口に広がる味を少しだけ残念に思いながら、レモネードを一気に飲み干していく。

 そして、中身を飲み干し終えると……残ったのは大きさがまちまちな氷だけだった。

 フタを外して氷のみを道路の隅に落とし、ゴミとなったそれをビニールに入れてから、次にどうするかと考える。

 だけど……。


「…………うーん、何と言うかちょっと残念な気分が解けないし、微妙にお腹がいっぱいになったから……今日はお土産だけ買って帰ろうかな」


 今日食べたい物があまり食べることが出来なかった。

 それに、まだ一日ある。だから残念ではないのだ。

 そう考えながら、わたしは定番のお土産を買う屋台を考える。

 ……地元に愛されている屋台か、それとも神戸からやって来たと言う数年前から何度も来ている屋台か……。


「よし、決めた! 地元に愛されているほうにしようっ! ……あ、ついでにお好み焼きも買おうかな? それとも明日にしようか……」


 決めたからには移動しよう。すぐに決めると、わたしはお土産である……ベビーカステラの屋台へと向かう。

 オレンジ色で統一された、帆船がトレードマークの屋台だ。


「うわ、並んでるわね……」


 この祭りに来くる殆どの客はこの屋台の味を知っているからか、行列が作られていた。

 そんな行列を解消すべく、2箇所ある屋台のこちらのほうでは……ベビーカステラを焼くための機材が6台ほど動いている。

 カララ、カンカンッと歯車が回転し、流し込まれた生地が回転する音が響く。

 カッカッカッカッカッカと、錐が銅版を叩く音が響き、売り子が手早く注文を受けた分の物を入れて、お金を貰い渡していく。

 そのお陰ですぐに行列は解消して行く。1人、2人と解消されていくのを待つ中で、わたしの視線は焼かれるベビーカステラに夢中だった。

 開かれた等間隔に凹まされた銅版、その窪みへとショートニングを付けた油引きでサッサッサと手早く塗られていく。

 それが終われば、大きな……樽ほどのサイズのプラスチック容器の上にセットされていた生地で満たされたちゃっきりを手に持ち、均等に……まるで速撃ちでもするように窪みの中に的確に生地を落とされた。

 きっと相当な訓練を積んだんだろうな……。そう思っていると、片面全ての窪みに生地を落とし終え……板がくっつくようにピッタリと合わせ、反対に回しても落ちないようにロックがされる。

 そしてロックした板を即座にグルッと反転させたのを見ると、流し込んだ生地を反対側に流れるようにしているのだろう。

 それを見届け、熱を均等に行き渡らせるためにフタをし……、別の焼き機のほうで時間が来たのかグルリとハンドルを使って回転を行っているのか、カララ、カンカンッという音がまたも響いた。

 そして回転させて一分も経たない内に、均一な焼きをするための蓋が開かれ……ロックが解除され、焼き型が開かれるとこんがり狐色に焼けたベビーカステラが顔を出した。

 ふっくらと、とても美味しそうに焼かれたベビーカステラ。……それを型から蓋となっていた箇所へと、職人が錐で手早くカッカッカッカッカッと手早く真ん中辺りで軽く浮かしてるのか、狐色のベビーカステラは次々と目的の場所まで飛ばされていく。

 それを何回も繰り返し、全てのベビーカステラを型から外し終えると、金属性の専用の集める道具で弾き飛ばしたそれらを掬い上げると……ケースの中へと入れて行き、即座にショートニングを塗り始めていった。


「お待たせしました。そちらのお客さんは、幾らのにします?」

「え? ああ、わたしか……、じゃあ1000円でお願い」

「かしこまりましたー」


 1500円で一釜、つまりは焼き立てを買えるのだけどそこまで欲しいわけじゃないから、わたしは1000円にした。

 そして手早く1000円の屋台専用の紙袋へと入れられると、お金と引き換えにわたしはベビーカステラを手に入れた。


「ビニールに入れるべきだろうけど、焼き立てで紙袋が張り付いちゃうから駄目なんだよね」


 説明するように呟きつつ、わたしは帰路につくことにして紙袋からベビーカステラを1つ取り……口に入れた。

 サクッとした皮の食感、すぐに柔らかくも硬い独特の食感と甘い砂糖と蜂蜜、そしてバターの味が口の中へと広がる。

 もぐ、もぐ、と咀嚼し……、ゴクリと呑み込むと……ふぅと溜息を吐く。


「あー、美味しい。春の祭りのときに食べたけど、やっぱりこの味なんだよね」


 口の中に残る甘みが消えないうちに、わたしはもうひとつベビーカステラを口に入れると咀嚼を始める。

 このサクサクとした皮の表面の食感、それが焼きたての魅力だよね。

 そう思いながら、もう一個口に入れると……紙袋の中はベビーカステラが放つ湯気でかなり蒸れているようで、さくさくとした食感がもう薄れ始めていた。

 サクサクッとした皮の食感が消えていくのは残念だけれど、その代わりに蒸れたお陰でフワッとした食感が生まれ、その味を楽しみながら、わたしは帰ろうとした。

 ……が、あることを思い出した。


「あ、ケンカあるんだった。だったらお好み焼きをつまみにして、ビールでも飲みながら見ようかな」


 思い出したことを呟いた瞬間、帰ろうとしていたわたしの足はお好み焼きの屋台へと向かい始める。

 ●●焼きにしたいけど、あれは春にしか来ていないようだった。……好きなんだけどな、あの粉ダゴダゴ。

 そう考えながら、わたしは先程まで歩いていた道を戻ってお好み焼きの屋台へと向かった。

実際のレモネード販売ってどんな感じに売ってるんでしょうね?

屋台ではアレで、デパートで飲んだのはシロップだったので……。

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