始まりの物語 01
今回からたまにウィンが魔王を倒すまでの物語を載せます。面白いと思ったら感想をくれると幸いです。では、本日2話目どうぞ!
俺は国王に協力することになった。
「化け物が」
「あんなガキが何を出来るってんだ」
「いっそのこと殺すか」
城内ではお偉いさんが俺に対し陰口をいっていた。
これじゃ村に居た時と何も変わらない。
俺は国王に呼ばれた次の日から訓練をすることになっていた。訓練が終わると更に自主的に素振りや体力造り、魔法の特訓をしていた。
「おっ、ウォルじゃねえか」
「ラインドさん、こんにちは…」
「何だ、元気ねえじゃねえか」
この人はラインド・アーシュといい。俺に武器の使い方や体術を教えてくれている。金髪の20歳の男性で周りからはチャラ男と言われている。
「いえ、何でもありません…」
「何でもないって事はないだろ。ん、あれか…」
ラインドさんはお偉いさんに気付いたらしい。
「まあ、無理はするなよ。あと、困った事があれば俺にいえ!」
周りからはチャラ男と言われているが正義感が強く色々な人から信頼されている。
「はい、ありがとうございます…」
俺は嬉しかった。今まで会った人は俺の事を害悪の用に扱い、直ぐに裏切られた。だけどこの人と魔法を教えてくれているエストさんは、俺の事を本当の兄弟の用に扱ってくれている。この事が、俺にとってはとても嬉しかった。
「あら、2人揃ってどうしたんですか?」
そういって話し掛けてきたのは魔法を教えてくれているエスト・ジャーナルさん。青い髪のラインドさんと同じ20歳だ。そして、俺のもう1人の恩人だ。
「いや、ウォルのことでちょっとな」
「ウォル君のことで?」
そういってラインドさんはさっきの事について話し始めた。
「なんだ。そんな事ですか」
「何か、考えがあるのか?」
「いえ、単純に強くなればよいのですよ」
「どういうことですか?」
俺はその意味がイマイチ分からなかった。
「つまり、ウォル君が強くなって魔王を倒せば有名になって悪口を言えなくなります。まあ、簡単にいえばこんな所です」
「まあ、悪くはないな」
「でも、魔王なんて倒せるのでしょうか?」
「大丈夫、ウォル君ならできますよ」
「まあ、ウォルなら大丈夫か」
そう言われたが、この時のウォルにはイマイチ、ピンとこなかった。