18話 元勇者の訓練…前編…
まずは前半です!
一昨日はイリナが学園に居たりと大変な目にあった…。昨日は訓練の時間にまさかのイリナ対クラス全員の対決をする事になった…まあ、イリナが開幕早々にデカイ魔法を使って一気に吹き飛ばしたから怪我した奴が多くて自習になったから楽だったし別にいいけどな。昼休みの直後だったから昼飯をリバースした奴は余計に災難だったな…。
たったの二日間で色々な事があったから今日が金曜で良かったな…今日1日を乗り越えれば土日だし頑張るぞ!
「ウィン、本当に明後日はいいのか?」
「明後日?何かあったか…?」
ユウと何か約束でもしてたか?
「なんだ忘れたのか?この間の宿泊訓練での魔物狩りでの景品で勇者様に訓練してもらうの」
「ああー…」
あったなそんなの…。はあ…せっかく疲れがとれて学園に通えるようになったんだけどな…まあ、行かないと後が恐いしな…
「俺はこの間の疲れをとるから気にせずに楽しんでこい…」
「おう、じゃあ早めに疲れとれよ!」
「ああ…頑張れよ…」
日頃の感謝とかもあるし丁度いいか、ユウとアリスがいなきゃ一人で寂しく過ごす事になってたかもしれないしな…
さて午後は実験室で錬金術を学ぶんだったかな?さてと残りの授業も頑張るか。
「よし…じゃあ実験室に行くか…」
「おう!」
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残りの授業も終わり放課後になった。
「よし、今週の学校も終わったな!」
「はあー…疲れたね二人とも…」
「ああ…そうだな…」
ユウとアリスと話をしていら下校時刻も近くなったので寮にそろそろ帰ることにした。
「じゃあ、二人ともまたね!」
「ああ…またな…」
「おう!じゃあな!」
校門でアリスと別れ寮に帰る。明日は明後日の為に訓練で何を教えるか考えないとな、土日が潰れるのは嫌だが二人の為にも仕方ない…何時またこの間みたいな事があるか分からないしな…
「よし、じゃあウィン。じゃあな!」
「ああ…またな…」
こうして金曜も終わり土曜は訓練で何を教えるかを夜中まで考え日曜となった。
「ん…朝か…今は8時だから9時には寮を出るようにしないとか…」
俺はベッドから出ると顔をまず洗って次に歯を磨き朝食を食べたら着替えて変装用の荷物をもってエストさんとの待ち合わせ場所に向かう。さすがに寮から変装して行くとなると不審者として捕まる可能性があるしな…
「あら、ウィンさんおはようございます。ちゃんと時間までに来ましたね」
「はい…時間に遅れるとエストさんにおこ…じゃなくて皆に悪いなと思って…」
「良い心がけですね」
危ない危ない…危うく本音を漏らすところだった…次からは気をつけなければ…
「では行きましょうか、着替えは一応できる所があるので安心してください」
「はい分かりました…」
俺はエストさんに連れられて訓練施設に向かう…
訓練場に着くとまず変装用に用意したボロボロのマントと着てフードを深く被り顔が見えないようにした。
「用意できました」
「はい、では行きましょうか」
「バレないようにフォローしてくださいね」
「分かりましたよ、ウォルさん」
呼び方はちゃんと治してもらい訓練場に向かった。
訓練場にはもう既にアリスとユウが来ていて前にラインドさんが立っている…
「おお!きたかウォル!」
「ええ、ラインドさん」
「では自己紹介と挨拶からしましょうかラインドとウォルさん」
「そうだな」
「俺とエストは知り合いだから別にいいか」
俺から自己紹介をする。さて何て言うかな…
「初めまして、ウォル・グラムだ。知っての通りこの二人と魔王を倒した」
「魔王を倒したのはウォルさんが一人で突っ込んで倒したんじゃないですか…」
「まあ、エストが言ったことは気にするな。今日はよろしくな」
「「よ、よろしくお願いします!」」
俺の自己紹介は何とか終わったな…さてと次は二人かだいぶ緊張しているな。
「じゃあ次は君たちだな、まあ緊張するな。俺だって魔王を倒した以外は君たちと一緒だ」
「い、いやそれ以外はって…」
「まあ、じゃあ君からだ」
「は、はい!俺はユウ・アントルといいます!今日は勇者様から沢山のことを学べるように頑張りますのでよろしくお願いします!」
「ああ、よろしくなユウ」
「ゆ、勇者様に名前を呼んでいただけるなんて光栄です!」
「じゃあ、次は君だな」
「ひゃ、ひゃい!私はアリス・エミリーといいます!昔、私の村が魔物に襲われていたところを助けていただきました!あの時のご恩は今でも忘れません!今日はよろしくお願いします!」
「よろしくな」
よし、二人にはバレてなさそうだな。頑張って今日1日乗り切らなければ!
「じゃあ、早速始めるか」
「「はい!」」
「ユウは大剣でアリスは短剣で二刀流だと聞いた。まずは二人がどの程度か見たい、なので…」
そして俺は半径1メートル程の円を地面に描く。
「俺はここからは出ないし攻撃もしない。だから10分間自由に、武器を使って攻撃してくれ。安心しろ俺は素手だ、更に身体強化もしない」
「え、でもそれじゃあ…」
「大丈夫だから掛かってこい。あと一人でじゃなくていい二人同時に掛かってこい」
「「はい!」」
「では…始め!!」
「はあっ!」
「おりゃっ!」
そうして二人は思い思いに攻撃をしてくる。だが俺は二人の攻撃が絣もしない用にギリギリで避けて体力を温存する。
「どうした二人とも、まだ5分もあるんだ一撃でもいいから当ててみろ」
「「は、はい…!」
うん、やっぱり二人は筋がいいな。これなら今日中に俺に一撃当てられるかもしれない、さてと10分たったか。
「よし、そこまで!!」
「「ぜえ…はあ…はい…!」」
「じゃあ、まずはユウからだ」
「は、はい!」
「ユウは肩に力を入れすぎている、だから一撃毎に力を入れ直している。それじゃあダメだ、肩で支えるようにではなく腕に力を込めて続けるように攻撃し一撃だけではなく次の二撃目、三撃目を意識するんだ」
「は、はい!」
「次にアリスだ」
「ひゃい!」
「アリスはユウとは逆で攻撃を続けることに意識し過ぎている。短剣は短いだけに威力が低い、だからその分一撃一撃を丁寧に力強くしなければいかない、短剣は他の剣よりも軽いから切り返しもしやすい、だから一撃の威力を今までよりも強く鋭くしなければならない」
「はい!」
「よし、じゃあ次は今言ったことを意識して素振りだ。目安は…12時までの1時間だ、それまで休まずに振り続けろ」
「「はい!」」
「じゃあ、ラインドさんとエストさんは二人を見ていてください」
「お前はどうするんだ?」
「昼飯を作ってきますよ…」ボソッ
「おう!行ってきてください!」
「たくっ、ラインドったら…まあ、ウォルのご飯は美味しいので是非ともお願いします。二人にはサプライズということで」
「では」
そうして俺は訓練施設の調理場にやって来た。今日は俺達の貸切状態なので他に誰もいない。材料は朝ついでに買ってきた、だからすぐに作り始める。
「今日は俺の得意な料理を作るか…」
そうして俺は料理を作り始める…まずは米を鍋に入れ準備をしたら火にかける。次に別の鍋に水を入れ火にかける。
沸騰するまで時間があるので野菜を切る。鍋が沸騰したら野菜を入れ柔らかくなるまで煮込む、煮込んでいる内にフライパンに火をつけバターを溶かす。そしたらフライパンに玉ねぎと人参を入れ、玉ねぎが飴色になるまで炒める。その次にグリンピースを入れ軽く炒め、そしたら炊けた米を入れ更に炒め、ケチャップを入れたら混ぜるように炒める。
次に卵をかき混ぜ他のフライパンで人数分焼きあげる。次に野菜を煮込んでいる鍋に調味料などで味付けをし再び煮込む。その間に薄く丸く焼いた卵に
ケチャップで炒めたご飯を包む。
そして皿に乗せケチャップを上からかけたら完成!
オムライスと特性スープ!
そろそろあっちも終わった頃だし呼びに行くか。
「おーい、飯だぞ」
「「ウォル(くん)が作ったご飯だー!」」
「「勇者様が作ったご飯!!」」
こうして俺達は昼飯を食べ午後の訓練となった…
後半は明日の夜載せるのでお楽しみに!




