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14話 過去の記憶…

始めの方は暗いですが最後はやっぱり明るくしました!是非、見てください!

「くんな!この化け物が!」

「ち、近寄らないで!」


ねえ、皆どうしたの?何でそんな怖い顔するの?


「あ、貴方なんてもう私達の子供でもなんでもない!」

「で、出てけ!この悪魔が!」


お母さん…?お父さん…?

 なんで、皆を守っただけなのに…どうしてそんな…

僕は皆の為にやったのに…

     ・

     ・

     ・

     ・

 血だらけになった少年がそこには立っていた…


「お前のせいだ!お前がもっと早く来ていれば!」

「貴方がもっと早く来れば私の子だって!」


なぜ、助けに来たのに…俺が助けに来たのは無駄だったのか…


「貴方達がもっと早く来てくれればこの村だって…」


誰かを助けるのは無駄なこと……なのか…?

     ・

     ・

     ・

     ・

 一人の少年が倒れている魔族に剣を突き立てていた…


「クククッ…貴様には呪いを掛けて

やったわ!」


少年は聞いた、何の呪いをかけたのか?


「貴様に掛けた呪いは、貴様が力を使った後に発動する…この呪いは受けた者の辛かった気持ちや過去を思い出させる…」


そんな事をした意味は?


「この呪いは誰にも解けない…かかった者の心を一生蝕んでいく…例え心が壊れようとて一生苦しめられる呪いだ!」


少年はその時は何も考えていなかった…この後の人生がこの呪いによって苦しめられることを…

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

 ここは……俺の部屋か…あの時たしか俺は力の内の一つを使ったんだっけな…。

 嫌な夢を見た…過去の記憶だ…誰かを助けても恨まれ続け傷ついていった過去…


「ほんと…なんで助けてたんだろ…」


 俺はあの時魔王に呪いをかけられた、呪いは力の内の一つを使うだけでも発動していた…始めは戦うことに夢中で気づかない…だが、戦いが終わった後は必ず呪いの効果を受ける…今までの辛い過去…

 …アリス達はどうだろう?俺の力を知っても一緒にいてくれるか…いや、恐らく無理だな…今までもそうだった。

 始めは優しくても力を知れば裏切る…知っていたとしても利用しようとする奴らばかりだ…やはり力は秘密にするしかないか…ばれたら何処か遠くへ行こう…


 俺がこんなことを考えていると二人の男の人と女の人が入ってきた…ラインドさんとエストさんだ。


「おう、どうだ具合は?」

「大丈夫ですか、ウィンさん?」


どうやら見舞いに来てくれたらしい…


「はい、大丈夫です…それよりもあの後どうなったか教えてください…」

「そうか、じゃあ一応聞くが魔物を倒したのは覚えているんだよな?」

「はい…魔物を倒してその後に倒れて気を失ったのは覚えています…」

「よし、それじゃあ話すな。まずは、あの魔物についてだが分かった事は3つある。一つ目は、どの魔物かだ」

「あ、それは大丈夫です…一応エンシェントウルフという事は分かりましたので…」

「おお、そうか。じゃあ二つ目だな、二つ目は奴が普通の魔物ではない事だ」

「普通の魔物ではない…?」

「それについては私から説明します。まず、あの魔物ですが魔石が存在しませんでした…」

「魔石が存在しない…?」


普通、魔物には必ず魔石といわれる石が体内に存在する。魔石は例えスライム等の魔物にも存在する。

それは何があっても確かだ、魔物は他の魔物も捕食する。

 これは他の体内の魔石が目的だ、魔物が魔物を捕食するとき一緒に魔石も食べる。これによって捕食された魔物の魔石は、捕食した魔物の魔石に吸収される。そして、魔石を吸収するほど強化されていく。魔石は魔物以外が食べればその生物を死に至らせる…だから他の生物が魔物を食べる事はない。


「どういう事ですか…?」

「倒した魔物ですが、すぐに研究所に送りました。しかし、いくら解剖しても魔石は出てきませんでした」

「誰かが持ち去ったということは…?」

「それはありません。何故なら魔物の体についていた傷は首を落とされている以外に深いものはありませんでした。それどころか傷は一つも見当たりませんでした」


 確かにそうだ…俺は首を落とした以外に傷をつけてれていない。更に命を失った者に回復魔法は使えない…どういうことだ?


「次に三つ目は、洗脳されていた事です」

「洗脳…ですか?」

「はい、内容は分かりました…」

「どういう事を…?」

「その内容は……ウィンさん、いやウォル・グラムの抹殺でした」

「俺の抹殺…」


今までもそういうことはあった…だが必ず証拠を残さないようにされていた。

 だが今回は違った…一緒にいたアリス達には目もくれなかった…それどころか俺だけに対し殺意をもっていた…俺が死ぬ事だけを目的としているような…


「これが魔物の分かった事です」

「はい、ありがとうございました…」

「よし、じゃあ次はお前の所に来るまでの事だな」

「はい、お願いします…」

「じゃあ、まずアリスとユウっていう二人が俺達のとこに来たところからだな」

     ・

     ・

     ・

     ・

俺は何かあった時の為に門の前にいた。


「なあ、エスト。別に俺達がここにいなくても」

「いえ、ラインド。私達は何かあった時の為にいるのです。本当に何かあった時に私達がここに居なければ大変なことになるかもしれません」

「はいはい、分かったよ……ん、あっちから誰か走ってくるな?」


そして、俺達は急いで走って来たアリスとユウにウィンが巨大な黒い狼の魔物に襲われている事を聞いた。


「何だって!?しかも巨大な黒い狼の魔物っていったら…」

「急ぎますよラインド!」

「ああ!分かった!二人は訓練場に避難してろ!」

「いえ!私達も行きます!」

「なに言ってんだ!危険だからお前達は避難しろ!」

「嫌です!私達はウィンくんに応援を呼んでくるのと他の班に避難するように頼まれました!何があってもついて行きます!」

「…分かった。ただし危険だと思ったらウィンと一緒に逃げろ!」

「「はい!」」


こうして俺達はウィンのところに急いで向かい始めた…そして、倒れているウィンと魔物を見つけた。

     ・

     ・

     ・

     ・

「と、言うわけだ」

「はい、ありがとうございました…。二人にもお礼を言わなきゃだな…」

「これが俺達が分かった事だな」

「はい、分かりました…」

「おう!あっ!そういえば!」

「どうかしましたか…?」

「そうそう、これが一番重要だったな」

「はい?」

「魔物狩りだが…お前の班が一位だったから来週の日曜は頼むな」

「え?何がですか…?」

「あれだよ、一位だった班に元勇者が特別に訓練するっていう」

「え…?あ、あー!」

「よし!じゃあ待たな!」

「えっ!ちょっ待っ…!」

「では、頑張ってくださいウィンさん。私達も一応行くので」

「そっ、そんなー…」


こうして俺の初めての宿泊訓練は終わった…

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