プロローグ…
初めての投稿ですが気に入ってもらえればと思います。本日は20時に1話目を投稿します。これから、よろしくお願いいたします。
そこには一人の少年がいた。彼は幼い頃から村の人々に恐れられた。
家族もそうだった。村の皆からは、
「この化け物が!」「近寄るな悪魔め!」
と言われ続けた。そして、生きる希望徐々に失い世界に絶望していった。人を信用出来なくなった。彼は思った、なぜ自分はこんな力をもつのか、なぜ自分なのか。
それから1年後、彼は城に呼ばれた。この国の国王に
「君には魔王を倒す力がある、その力をこの国の為に使って欲しい」
と言われたのだが始めは何を言われているか分からなかった、だが直ぐに理解した。村の皆から恐れられた力のことだと。少年はこの力は何なのか、なぜ必要とするのか、なぜ、自分がこの力をもったのかと聞いた。
「その力は勇者の力だ、その力があれば魔王を倒せる、君には生まれた時からその力があった何故なのかは分からん」
と言われ、彼は魔王を倒したらどうなるのかと聞いた。
「魔王を倒せばこの国、いやこの世界が救われる。倒してくれるのなら報酬は幾らでも用意しよう。地位や名誉も与えよう。その後は、自由に暮らして良い」
と彼は言われた。彼は、この国に力を使うのにはどうすれば良いのか。
「それは、魔王を倒すことだ。魔王を倒せば世界は救われ平和が訪れる。だから君には魔王を倒す旅に出て貰う。だが、いきなり旅に出ろと言われても戦いの術を知らなければ意味がない。君には数ヶ月の間、城で戦いの術を受けてもらう。」
彼は、静かに頷いた。
「では、村に別れを言いに行って良い、どうする?」
彼は、村には戻らないその代わり城の方で伝えといて貰うように言った。
「分かった、そなたにはこれから苦労をかける。」
国王は彼の村での扱いを知っていた。
彼は、一ヶ月で武器の使い方と体術を覚え、三ヶ月で教えられた魔法を全て覚えた。
彼は、その時に戦いを教えてくれた二人と共に魔王を倒す旅に出た。
彼は、まだ七歳だった。二人は思った。自分達がこの子を守ってみせると。だが、その必要は無かった。彼は、二人より遥かに強くなっていた。
彼は、十五歳で魔王を倒した。僅か八年で倒したのだ魔王を。
・
・
・
・
彼は城に戻ってきた。
国王は、
「よくぞ倒した魔王を、感謝してもしきれぬ、そなたらに褒美を与えよう申してみよ」
共に戦った二人は
「自分の願いは騎士団の教官になり騎士達や兵達を強く鍛え上げることです。」
騎士の男は答えた。
「私の願いは、魔術を多くの人々に教えることです。」
魔術師の女は答えた。
「分かった、その願い聞き入れよう。更に報酬として金貨五千枚を与えよう、─さて勇者よ、そなたは何を望む」
彼は自分は何もいらないと答えた。その返答に周りはとても驚いていた。国王は、
「分かった、せめて二人と同じく金貨五千枚は与えよう。」
色々言われた末に納得した彼は報酬を受け取った。
「勇者に話がある、二人は下がって良い」
国王に言われ二人は広間から出た。
彼に対し国王は告げた、
「来月、学園の入学式があるのはしっておるか?」
彼は黙って頷いた。
「いきなりだが、君にはそこに通って欲しい」
彼は、考えた。考えた末に彼は、分かったと返事をした。
そして、彼は勇者としてじゃなく普通の生徒として通うことになった。
「名前はどうする偽名を使うか?」
彼は、偽名を使うことにした。
魔王を倒した英雄ウォル・グラムではなく学園の生徒、ウィン・アルストとして学園に通うことになった。
・
・
・
・
国王は、気付いた。城に戻ってきた勇者が希望をもっていないことを。国王は考えた、勇者に希望をもたせる方法を。
そして、思い出した来月に学園の入学式があることを。勇者は今、十五歳。学園の入学が十五歳からだから今年から入学することが出来る。国王は、学園で友達や仲間をつくり希望をもって過ごしてもらおうと考え入学を勧めた。意外にも受け入れたらしい。
これから、勇者には学園で楽しく過ごしてもらおうと国王は思ったのだった。