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「きゃぁぁぁぁ!!!?」
「ば、爆発!!?」
「やばいぞ逃げろ!」
「うわぁぁぁ!」
バンッバンッバンッ!!と他の場所でも爆発が起こる。
人々は皆、大パニックだ。
『おい!まだやるなって言ってたはずだろ!
まぁいいか…』
爆発があったが放送は続く。
「くっ……エレナ!ミイ!」
俺は一番近くにいたトゥエルの手を握り、2人の名前を呼ぶ。
道路はパニックで逃げ惑う人々で溢れている。
『お前達は人質だ!
俺達は統治機関に対し、テロを行うことをここに宣言する!』
「テロ……だと?」
テロ、つまりは反政府運動に近い行為だ。それを武力を持って行う。
『聞こえているはずだ!
統治機関の統帥と話をさせろ!
そうしなければ……』
ボォァァンッ!
再びどこかで爆発が起こった。
『分かるだろうな?人質なら大勢いるんだ』
ブツッという音を鳴らしてテロの首謀者と思われるものは放送を切った。
「く……ここは危険だ……」
「……」
俺はトゥエルの手を握りながら考える。
2人を守るか…それとも……
「レン君!無事だった!?」
「エレナ!ミイ!とりあえずは無事だ……!?」
俺は魔力の発生の気配を察知し、後ろを振り返る。
店の壁の上に記入式魔法陣。
文字の羅列からして恐らくは『ファイアボム』の時間差爆発を起こさせるものだ。
「皆伏せろ!」
バァァァァァンッ!!!
店の壁が爆発を起こして大量の瓦礫が俺たちに向かって降り注いだ。
「大地よ、我に魔力を分け与えたまえ…『ユグドラシル』」
ズォォォッ!俺の魔法詠唱と共に足元から巨大な枝が絡み合って構成された大樹が発生した。
準特級木属性魔法『ユグドラシル』
前回、選考会で使った時は魔力を消費していたため記入式魔法陣を利用したが、今回はフル充電されているので使うことができた。
大樹は降り注ぐ瓦礫を全て受け止め、幹の中へと封じ込めてしまった。
「……まお様……すごい…かも」
「まあな! エレナ!ミイ!
トゥエルと一緒にこの木の下で待ってろ!
ユグドラシルの下にいれば爆発や落石は防げる!他の人も同じだ!」
俺はトゥエルをエレナに預けるとその場を離れようとする。
お気に入り登録などしてくれれば、もっとやる気出てガンガン更新しますよ( ´ ▽ ` )ノ




