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「……というわけだ」
「なるほどね、迷子だったんだ」
「お姉ちゃんこいつ何も説明してないんだけど」
「俺達は以心伝心だから」
「……以心…伝心…?」
俺達はペットショップの前のベンチに座って迷子のトゥエルをどうするかっていうことを相談していた。
事情を説明したらエレナもすぐに理解してくれた。何故かペットフードは俺が持つことになったが。
たがリュックに入れておけば何ら問題はない。
「てかミイとロリキャラで被ってんな」
「私ロリじゃないから」
「またまたぁ〜そんなこと言ってぇ〜、ミイは記憶喪失なんだから詳しい年齢は良く分かってないんじゃないのか?」
「……くっ!それでもロリじゃないもん!」
正論を言い当てられて言い返すことができないミイ。
ちょ、涙目とか萌えるんだが。
「……ケンカ…だめ……」
「ニャァー」
トゥエルはプリンを気に入ったのか抱き締めて離す様子が見られない。
「そうだな、もぉトゥエルちゃんかわゆす!」
「……ふみゅ……」
撫でても撫でても飽きないこの中毒性!
「こんのクソロリコンが……」
「多分この年齢のはペドだ」
「どっちでもいいわボケぇぇぇ!!」
バチチチチチチッ!!!
「ぷぎぃぃぃ!!!つ、ツンデレ……あ?」
『ザザザザ……あーあー おい!これで合ってるんだろうな!』
俺がツンデレ萌えぇっ、と叫ぼうと準備していたらニートの街じゅうに放送音が鳴り響いた。
「な、なんだ?」
「イベントか?」
「今日そんなイベントなんかないぞ……」
周りの人達も少し違和感があるのかざわつき始める。
『あー……よし、よく聞けニートにいる者ども!』
キィィーンとデカい声を出したからか、耳をつんざく音が響く。
『この街は既に俺たちの……』
バァァァァァンッ!!!
放送をかき消すかの様に、少し離れた所で爆発が起こった。