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「うひょぁ!すんげぇー!!」
テレポーターから出て目に入った景色に俺は驚嘆の声を上げる。
装飾の施された数々の電気店。
所狭しと並んでいる飲食店、さらにはそれの宣伝をする人々。
服屋や何やら盛り上がっている店。
俺たちのように遊びに来ていると思われる若者たち。
娯楽施設が多いこの街には高層ビルは少ないらしく、建物の上にテーマパークが設置されている所もある。
「すげぇな、家の付近じゃ滅多に見れない光景だ…」
圏外付近のエレナ宅と第十高等学校の間も発展してるのだが、ここまでの人口密度はない。
まさに超科学が可能にした娯楽世界と言えるだろう。
「まずは服屋に行こっ!」
「そうね、夏用も欲しかったし」
「おいおい引っ張るなって!」
買い物になると女子はテンションが上がるのか元気になるのか、2人は俺の腕を引っ張って服屋の立ち並ぶ筋へと向かった。
エレナとミイの姉妹2人が向かったのは彼女達くらいの年齢層をマークしたファッションブランド店だった。
ミイが言ってた通り夏物の服が多く売られている。
「ほぉ〜、この世界のファッションはなかなか……」
学校の制服や毎日見るエレナやミイの服装を見ていて思っていたが、この世界の服は生地の質も高く細かい部分も綺麗に仕上げられている。
デスパイアにお土産として持って帰ったら……売れそうだな。
「なら買うのみ!」
ポケットからデスパイアで使用していた財布(小さな袋)を取り出す。
実は最近知ったことなのだが、シードとデスパイアは共通通貨なのだ。 デスパイアでは子供の頃から同じ単位の円という通貨を使っていたため、あまり違和感はなかったが、世界が違うのに通貨が一緒とはな……
シードは一つの大陸で統合された国でもあるので全体で共通通貨があるのは何ら不思議なことではないが。
「これとこれとこれ良いなぁ」
俺は手に持ったカゴに気になった服をポンポンと入れていく。
値段?俺は魔王様だぜ、気にしない気にしない。
「お、お客様?そろそろお会計を……」
店員は俺の買いっぷりに驚いたのか会計を勧めてきた。
他の店員も何やらひそひそ話をしている。 男の俺が女物の服を大量購入してるのがおかしいのだろう。
「じゃあお願いします。『プレゼント』用で」
「かしこまりました」
「(プレゼント用みたいよ)」
「(なんだぁ…そういう趣味かと思っちゃったじゃない)」
俺は女の子に興味はあるけど自分が女装するなんてことには興味ない。
俺は財布から1万円札を何十枚か出してお金を支払った。1万円札には超絶大昔の人物画が描かれている。
「お買い上げありがとうございました!」
店員が元気よく挨拶をしてくれた。
そりゃこんだけ買ったら店も儲かるだろうな。
てかエレナとミイはまだ買い物してるのかよ。
店の奥を見れば、2人でこの服はどうだとかこれの方が良いだとかずっと買い物せずに服を見てばっかりいた。
俺は荷物が重かったので店の正面に設置されていたベンチに座ることにした。




