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「お待たせー、ってレン君何してるの?」
「エレナ、俺は…俺は…!」
「えっ!?いきなりどうしたの!?」
「目潰しして下さいお願いします」
「このドMが!」
「目がぁぁぁっ!目がぁ!」
「レン君!?」
と、茶番を広げたところで俺たちはテレポーターのある場所へと向かった。
テレポーターとはお金を払うことで他のテレポーターが設置されているところへ転移できる公共の移動機関のことだ。
「で、何で目を潰してなんて頼んでたの?」
「それは秘密だ」
「ちっ、潰し切れてなかったのね……」
テレポーターのある所までは少し歩かないといけないので、俺たちは三人と一匹で道を歩いていた。
てかミイさん物騒なことを言わないで下さい。
「そーいえばニュース見たか?
圏外の工場で重症のダメージを負った作業員の話」
「見てない」
「見た見た!圏外での事件が報道されるなんて酷い状態みたいなんだね」
この世界には大陸が一つしかなく、その中心部が首都シードの首都圏というやつだ。
首都圏を取り囲んでいるのは圏外という、未発展の地域。人の住みにくい環境が未発展になっている理由だ。メストなどは年中霧がかかっているという。
特に酷いのは圏外の東西側だ。
南北は海や雪山に遊びに行く人がいるため開拓はされいるが東西は違う。
東西は開拓といっても、ただゴミを始末するためだけの工場が溢れている。ゴミの量も異常なくらいある。
簡単に言えば中心部の発達によって生み出された副産物だ。
それゆえ首都圏では東西のことに関してはあまり触れたがらない。罪の意識もあるのだろう。
が、その圏外の工場で起きた事件が報道される。それほどかなり大きな事件ということなのだ。
「まぁかなり遠いとこでの事件だから大丈夫でしょ」
「楽観的な奴め。
お主みたいな奴が事件に巻き込まれて監禁されて淫らなことをされるんだ」
「何か言ったかしら」
「お願いですから目から指を離して下さい」
目が潰れて目覚めちまうだろ。