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魔王様!?桃源郷(ハーレム)創成記!  作者: 日鏡ロイ
第2章 SEED(シード)
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4

魔王ボールは俺の技の中で言うと真ん中くらいの破壊力を持つ。


え?他にもっと強い技なんていくらでもありますけど?私、魔王ですけど?


「魔王ビーム!!」


とりあえず目に見えている兵器に向かってセンスもクソもない魔法を発動する。 ……俺は魔法に名前をつけない主義だ。分かるか?RPGゲームでいうと、自分で考えた名前じゃなくて既に選択肢にある名前を主人公につける心中だ。



わかりませんね、はい。



魔王ビームは俺の手から発射されて兵器に直撃する。この魔王ビームは魔力を凝縮させてさらに光属性と闇属性を混ぜてできている。


なんで魔王が光属性使えるかって?




そんなの……





「魔王だからに決まってんじゃん!!っておおおぁ!!?」


危険を察知した俺はとっさに身体を仰け反らす。俺はさほど身体は柔らかくないのでゴキッと腰の骨が音を立てた。そして俺はさっと顔を青ざめた。



ヂッと俺の翼が一つ跡形もなく消滅したのだ。


おいおいおい!嘘だろ!?俺の結界を抜けて、しかも翼も破壊するだって!?


これは非常にまずい。よくよく考えてみれば俺の結界は物理攻撃を重力によってベクトル変化させて防ぐのだ。多分このビームは質量というものがない、または少なすぎて結界の効果が発動しなかったのだろう。


そしてさらにまずいのは……




「か、片一方だけの翼で飛ぶなんて、僕には無理でちゅ」


俺は空中から墜落を始めた。


畜生!結界が破られるとは思ってもみなかった!


翼も生やそうにも元となるマントが破けてしまって無理だ。


まだ結界の方は発動しているため、何とか穴だらけの体にならずにすんでいる。


しかし、いつ何時敵がビームを放ってくるか分かったもんじゃない。


ちっ、とりあえずここは逃げるしかないか。


兵器を破壊してこの世界についてのヒントを得ようと思っていたが、ここまで頑丈かつ厄介だとはな。


「こうなりゃ俺の中でもかなり強い部類に入る必殺魔法!

ワーム・ぼぉぉおおる!!」


両手から次々と兵器と同じサイズの魔力の球が放たれていく。


ボールがひらがななのはその方がプリチーだからだぜ?キリッ


ちなみにこの魔法は俺がまだ新人魔王の頃、勇者が何発もの斬撃を飛ばしてきたので、それを破壊するために使ってみたところかなりの効果を発揮した…ところからできている。

ワーム・ボールが兵器にぶつかる。

いや、ぶつかるにはぶつかるのだがそのまま貫通していき、兵器に球型の無残な空洞を残す。


ワーム・ボールが触れた物質は消滅するのだ。


ただそれだけ。


俺はワーム・ボールを連発しながらも再び感知用の波動を放って敵の位置を確認していく。


動けそうな兵器の残りの数は2、3体だ。


よし、逃げよう!


ちなみに俺は落下なうだ。



……そっちの処理が大事じゃん!!


「あぁもう!こうなりゃ奥の手!

ドラゴンかもぉぉぉぉんっ!」


今までの魔法とは桁違いの魔力を練りこんで魔法を発動する。


今度のドラゴンは召喚魔法じゃねぇぜ!



「グモモモモモォォォォオ!」


魔力によって生成されたドラゴンの魔物だ。召喚魔法のドラゴンには強さは劣るがこいつでもかなりの強さをしている。サイズも兵器と同じくらいでかなり大きい。


俺はドラゴンの背中に着地……できず背中から突っ込んだ。


さすがに痛いっ!


「しゃ!あばよっ!兵器共よっ!」


ドラゴンに飛び乗ったら即退散。


魔王だって逃げるんだよ!

魔王城で勇者に殺されるのを待つのはもうやだよぉっ!


……これは弱い魔王達の本音ね。


『侵入者が逃走開始、ホーミングレーザー狙撃準備


3……』



ん?


兵器が何かのカウントを開始した。


何するつもりだ!


『2』



あっ!陸地発見!


ドラゴンよ!最高速度で飛ぶんだ!!



『1』




「あっ」



一瞬の眩しい光とともにドラゴンの姿が消え、俺の身体は宙に放り出された。


マジかよ。


こうなったらもう一度ドラゴンを作り出して……!


『……ザザ……ザ…SEEDシードの次元を確認。

フェーズ3開始』


な、何だ!?


頭の中で機械質の音が鳴り響く。

それと同時に身体が硬直して魔法も発動できなくなる。


やばいやばいやばい!


『データインストール70%

アップデート中……』



ちっ、くそぉぉっ!


身体が動かない以上どうしようもない。為す術もなく俺は落下し続けた。幸いなことに兵器は攻撃をしてこない。


『データインストール、アップデート完了、フェーズ3開始』


フェーズ3?どういうことだ!?


何だよ!アップデートって!


頭の中に何か映像が流れてくる。



誰だ……この人…見覚えが……




プツッ


そこで俺の意識は途切れた。










『侵入者の身元確認、攻撃中止。

ステルス機能再起動開始』


残っていた兵器達は少しずつ透明になっていき、最終的には空気に溶けるように消えてしまった。


残りの兵器の残骸は落下すると思いきや、グニャグニャと形を変えて一つの塊になり、どこかへ向かって飛んでいった。



これが……この世界、SEEDシードの超科学技術の結晶『ステルス機能搭載未現細胞製無人爆撃機』である。




この世界は……科学で満ち溢れていた。











……。


…………。


…………………。


何かが鼻をくすぐっている。草?いや違うな、これは……虫だ。

ちょいちょいちょい!虫が鼻ん中入るとかマジ最悪じゃん!


「……ぶふぉぁっ!」


という訳で思いっきり鼻息を吹き出しました。


これこそ魔王鼻息。



「……て、てて」


虫を退治した俺は、とりあえず状況を確認するために身体を起こした。かなりの高度から落下した影響か、それとも先程の身体が動かなくなった現象のせいか……まぁ1番原因は魔王鼻息だな。


すいませんジョークですHAHAHA


俺は草原としか言いようがない草原に寝転んでいた。


は?他に言いようがないのかって?

空は快晴、一面草原って訳じゃなく近くには深そうな森もある。以上だ。


ふむ……身体が痛いので少し休憩してから動こうかな。


パソコンを取り出すとうつ伏せになって起動ボタンを押す。

このパソコンはデスパイアである女性に指示されて俺が作り出した物だ。何でデスパイアで電波とか繋げるかっていうと魔力を利用してカクカクシカジカだ。


すまん、複雑過ぎて説明無理。


パソコンが起動されると俺はチャットのページを開く。

ふと疑問に思ったのだが、ここがデスパイアじゃなかったとすれば何で電波は繋がるんだ?まぁ、今考えても無理だな。


チャットのページには俺が唯一このパソコンで関わりを持っている人物とのやり取りの履歴が表された。




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