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ドアを押しのけて廊下に出てきたのは、黒いジャージに長い茶髪をゴムでくくっている20代後半の女性。
メイクは薄くはしているようだが、その他は適当極まりない服装だ。
大きな黒い瞳に優しそうな顔。
身だしなみをしっかり整えれば普通に美人の部類に入るだろう。
「いてて……分かっててドアで挟むなんて酷いじゃない!」
「……ふん」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
俺が部屋に入ってドアを閉めようとすると女が引き止めてくる。
「この前の任務失敗はこの任務で取り返しなさい。
上層部も少しあなたの信頼度を下げているわよ」
「……うるせぇ。
帰って学校の用意でもしてろ」
「うるさいうるさいってうるさいのよ。
それに明日は休日だから先生の仕事はないんですよーだ」
バンッ!
俺は女を引き離すとドアを閉めてカギをかけた。
「……ちっ、教師気取りやがって」
「……フィフス……誰かきてたの……?」
部屋に戻ってもう一度パソコンをいじろうとすると、目が覚めたトゥエルが俺の元へ歩いてきた。
「あのクソ女だ」
「……そう……会いたかった……かも」
「夜も遅いし、そろそろ寝るぞ。
明日は早起きだ」
「……それは……嫌……かも」
俺は早起きを嫌がるトゥエルを連れてベッドにいき、眠ることにした。
生まれてこの方眠気というものを感じてこなかったが、あの勇者とやらと闘ってからは身体が睡眠や食事を欲し始めた。
本能的に求めているのだ、さらなる強さを。
次にあった時はタイマンで殺してやるよ、ユウ=クレハ……




