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つーか勇者との闘いの疲れで眠気が……
ま、このまま浮かんでるんなら寝てても大丈夫だろ。
俺様、テラ冷静。ワロス。
「ぐがぁぁがごぉぁっ…!」
『ほんと……バカっていうかなんというか……』
身体は真っ暗な空間をどちらとも言わず進んでいく。魔王は宇宙空間対応済みです、はい。
とは言うものの少し不安になってきた。
寝てるのに何で意識あるかって?
狸寝入りだよ馬鹿野郎ぉぉぅ!
すいません寝てるふりでもしないとぼっち宇宙旅行なんてできません。これ何の罰ゲーム?
「とりあえず……
俺のハーレム返せぇーーーーー!!!!!!!!!!!」
お願いですホント。
ブッ……!ババババ!
「なんだなんだ!誰か屁でもしたのか!」
いいや違うな、俺の身体と空間が摩擦を起こしてるんだ。
てか景色変わってね?
「おぉぅっ!? ちょ、え、おい!」
刹那、目の前に青空が広がった。
……。
魔王滅亡の……「言わせねぇよ!!!!」
俺は空中で身体をよじって事態を把握しようとする。
ちなみに先程まではスローモーションになっていた身体も普通に動くようになっている。
ヤハハハ!!我、魔王ぞ?魔物が蔓延りしデスパイアを支配せし魔王ぞ?
身体が自由になればこんな事態簡単に対処してみせるわ!
とりあえず、恐る恐るだが落下方向に視線を向けてみる。
海。
落ちたら……塩分濃度とか考えたところで意味がない、固すぎて即死。
「 。」
唖然としながらもどうしようか考える。
「……ドラゴン召喚!」
とりあえず契約獣であるドラゴンを召喚してみる。
「……」
出ません。涙が出ました。
というかドラゴン召喚とか言って何も出なかった時の恥ずかしさやべぇ、ワロス。
「んじゃ羽根生えろ」
バサッ!
きたぁぁ!!!
羽根生えろの一言で俺の着てるマントが真っ黒な羽根いっぱいの翼になった。
実はこれも俺の使える魔法の一つね。
ちなみに魔王が使える魔法だから魔王法。的な? まぁ何でもいい。
「とりあえず勢いを殺してどっか陸地に到着しないと……!」
バサバサッと翼を広げて空中に留まってみる。
かなりの重力が身体にかかったが何とか耐えることができた。
魔王じゃなきゃ死んでるよ?