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「ぜぇ……ぜぇ…っ!く……」
刀音を下ろすと近くにあったボロい家の影に身体をもたれかける。
「そ、そんなに私って重たかったんだ……デブだったんだ……」
刀音は何故か自虐タイムに走っていた。
「ぐ…足が……」
ここにいては危険だ。
ひとまずこの街を離れないといけない。
あの赤髪の少年は今までの敵では1番強い。確信をもってそう言える。まず一度に精製される魔力の量が桁違い過ぎた。
仮にあのまま闘っていても勝てたかどうか……
それに刀音を巻き込まないように闘うのも無理があった。
少年は火属性の広範囲攻撃が主体。『ヘルブレイズ』も避ければ良いものも多かったが、周囲への被害を考えると破壊する必要があった。
それで逃げ出したのだが……思ったよりも早く『イグナイト』の効果が切れてしまったため、こうして休憩するしかないのだ。
この魔法は身体強化魔法の一つのため、身体への負担が大きすぎる。




