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霧の深い街
人気の感じられない夜の街を2人の少年少女が歩いていた。
一人は真っ白な軽くウェーブした髪に赤い瞳、手には眩しく輝く魔力で作られた剣、背にはリュックをがかかっている。
片方はショートの黒髪に真っ黒なドレスのような服をきた少女。
片手にはパンを持って眠そうに歩いている。
2人の服装はこの世界、シードでは見かけないもので、とくに白い髪の男の服装はまるで大昔の村人のような服を着ている。
少女の服装は……そういう趣味の人なら着る人もいるかもしれない。
「なんだかどの街にいっても人がいないね……」
「うん……でもそのうち見つかるんじゃないかな?」
「その前に食料が無くなりそうなんだよね……」
「ええっ!それは大変だよぉ!」
君が何個もパンを食べるからだろ。
とは口にせず、僕は一度、魔力の剣を分解した。
「この世界は機械系のモンスターが多いみたいだね。
多分僕達が工場で起こした事件の後に追跡させてるのかな」
この街につくまでにネジや仰々しい機械をつけた犬型のモンスターが僕達を襲ってきた。
思ったよりも強くなかったので僕が壊しておいたんだけど。
「誰かいないかな……」