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翌朝、俺がベッドでぐっすりと眠り込んでいると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「……ニャァ」
またプリンかよ!朝起きたら美少女が横にいるとかいうパターンはないのかよ!
「んぁー、邪魔だ邪魔だ」
俺は顔面に乗ってきたプリンをベッドの横へと押しやって、もう一度眠りに着こうと寝返りを打つ。
「ボフッ…! 何だ?」
横に向いた瞬間再び顔面に何かがぶつかった。
目を開けて姿を確認してみると……
「……すー……ん…」
水色の髪のロリっ子が隣に寝ていた。
おい……ロリっ子と情事に走ったのか俺?
嘘だろ?ねぇ、嘘って言ってよ!
「おいこらロリ子起きろ」
気持ち良さそうに寝ているミイを揺すると、んん…と寝ぼけた声を上げて目を覚ました。
「……何でレンが私のベットにいるの…?」
「ここは俺のベットだ」
「……?あ、昨日プリンちゃんと遊んでて……はぁ」
ミイは状況を理解したようで、プリンを抱きかかえると、何事もなかったかのように部屋から出て行った。
え?ラッキーハプニングとかないんですか?
ミイからの高圧電流攻撃を覚悟していた、あまりの呆気なさに少し残念さを感じた。
電撃くらいたいとか俺ってドMワロタ。
「……びっくりしたぁ……」
ミイはレンの部屋から出るとふにゃっと力が抜けたように部屋の前に座り込んだ。
先程は何事もないように装っていたが、実はかなりテンパっていたのだ。
何故レンの隣で寝ようと思ったのはわからないが、
「(……でも気持ち良く寝れたな)」
ゴッ!
「痛っ!!な、何っ!?」
「あ、部屋の前にいたのかロリっ子ちゃん?」
「……やっぱムカつくわ」
バチチチチッ!!
「ぷぎぃぃぃぃ!あ、朝からのツンデレ萌えぇぇ!!」
騒ぎを聞きつけたエレナがリビングから飛び出してきたのは言うまでもない。
「そういえば今日は選考会とかいうやつがあるんだよな?」
エレナのハリセンでしっかりと目を覚ました後、3人で朝食を食べていた。
まだ叩かれた頬がジンジンするぜ……
目覚めちまうところだった。
「何でニヤニヤしてるの?」
「朝から胸チラが見れたからな」
エレナが屈んだときに巨大メロンの谷間ががっつり見えたのだ。
心の中ではもっとにやけてるぜ!
「ミイ、胸チラって何?」
「……知らない」
ミイが俺を睨んでくる。
胸チラもできないロリっ子だ。
「選考会って俺も出ないといけねぇんだよな?」
「そりゃ、あんだけ高レベルの魔法使えるんなら出るしかないでしょ」
「うへーめんどい」
選考会を最後まで勝ち抜いたら他の高校とも戦うことになるらしい。
あんまり目立ったりして厄介な事に巻き込まれなければいいんだが……
「私も選考会には出ることになってるから、もしかしたら当たるかもね」
「……ほう」
選考会はクラスから1組の男女を代表で参加させて、その中から1番強かったと思われる生徒を学校代表にする。
てことはエレナのペアもいるってことだ。
くくく……良いこと思いついちまった……
「くく……よし!ミイ!俺たちも参加するぞ!」
「えっ、あんた出ないんじゃないの?」
「いや、出る!」
「……どうせ変なことでも思いつんたんでしょ。
まぁ別に出て上げてもいいけど」
「なら決定だ!」
どのみち、俺のクラスで魔法を普通に使えるのは俺とミイくらいだ。
誰も異論はあげないだろう。
選考会か……
くくっ、滾ってきたぜ……!