表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様!?桃源郷(ハーレム)創成記!  作者: 日鏡ロイ
第4章 最弱高等学校
38/356

2

「で?皆こんな感じなのにどうやってやる気を出さすっていうのよ」


「そうだなぁ……」


隔離エリアに集まっている生徒を見回して考える。


第十高等学校は生徒数が他の高校に比べると極端に少ない。

つまり、魔法が上手くない子どもは第十高等学校の生徒数くらいしかいないということだ。


こいつらは選ばれし魔法使えない人間なのだ!


「魔法が使えない人間……

そしてこの学校にある大量の……

あ、分かったぞ!」


皆が床に座って先生の魔法の見本を見ている中、俺は立ち上がる。


「ちょっとちょっと先生!

交代してください!」


「え?え?アクセル君?」


先生を押しのけると俺はクラスの生徒の前に立って、ホワイトボードにあることを書き込んでいく。


生徒達も俺の突然の行動に疑問を感じるが突然すぎて何も言い出さなかった。



「よし!この図式を見て欲しい!

これはこの世界の魔法を使える人間の割合だ!」


50人に1人が魔法を使えない。

そこにはそう表記されていた。


「なんだよそれ!んなもん俺たちも分かってんだよ!」


「まぁまぁ落ち着きたまえ前田君」


「安田だ!」


「何故、魔法が使えないのか……それを考えてみた結果、ある要因が君たちの邪魔をしていることに気がついた」


ホワイトボードに『要因』と大きい文字で書き込まれる。


「時として、身体に秘められている魔力の源となるものは膨大過ぎてコントロールできないことがある。


まず、公には知られていないが、魔法を使う魔力を生み出す前のエネルギーというものがある」


『エネルギー』とホワイトボードに書き込む。


先生は目を丸くして俺のことを見ている。

そりゃそうだ、この原理はシードではごく一部の者しか知り得ないことだ。


俺はここの所、それに関して調べていたのだ。


「で、そのエネルギーが魔力を生み出すんだが、実はエネルギーは魔力ともう一つ、超能力を生み出すこともできる」


エネルギーの文字から分岐させて魔力と超能力という文字を書き込む。



「魔法が上手く使えないということは魔力がしっかりと精製されていない、っていうことだ。


じゃあ何で魔力が精製されないか?」


「それこそ俺たちがクズだからじゃねぇのかよ!」


ブーブーと生徒達はブーイングを始める。


「うるせぇ豚ども!マスク被せるぞ!」


前田君の頭に豚のマスクが突如、装着される。


それを見て他の生徒はブーイングをやめた。


「続きいくぞ。


魔力が精製されない理由はエネルギーに関係がある。

まだ俺もそのエネルギーの詳しいことは分からないが、それは俺たちが生きるためには不可欠だ」


エネルギーの横に『生きる力』と書き込む。


何人かの生徒は分かってきたようだ。


「もしそのエネルギーが少ないから魔法が使えない、っていうならお前らはとっくに病気にでもなって死んでるよ。


でも死んでないってことは……?」


「私達がそのエネルギーとやらを利用できてないってことね」


さすが委員長さん!名前わかんねぇけど!


「そゆこと。

で、俺も実際体験したことなんだが、そのエネルギーを利用できない場合は……」


白板をゆっくーーりと消して行く。


そう、魔王様は人々を待たせるのが大好きなのだ。


消し終えてもう一度皆の方を向き、初級闇魔法『ダークボール』を発動する。


「……本来ならお前らはこれくらい膨大な魔力があるはずだ。でも、それが使えないのは何でなのか」


ダークボールは俺の身体以上のサイズへと膨張していく。


それを天井に投げつけると激しい爆発音とともに辺りを暗い闇で覆い尽くした。


「多分だが……この学校は『仕方なく』落ちこぼれた生徒を入れるためじゃない。

『危険』だから入れられたイレギュラーな人間が勢ぞろいしてるんだ」


この世界を支配する誰かによってな。


暗闇が消えても生徒達は全員黙ったままであった。

何故俺がこのことに気づいたのか。


聞きたい?聞きたいよね!ぷぎぃぃぃっ!!



ごほん…、まず第一にエレナがこの学校にいる理由が少し変だったからだ。


父親から離れさせるために学校を転校させる必要はあまりない。

この世界は交通機関の発達によって登下校は楽チンだからな。


つまり、母親が父親から隔離してさらに監視できるところに置くため、第十高等学校を選んだてとこだな。


他には学校に設置されている監視カメラの異常な数だ。

生徒達は気づいていないみたいだったが、探知魔法で発見したときはちょっと寒気がしたぜ。



ここまでは推測がほとんどだが、それを決定づける証拠がすぐそこにある。




俺は一歩さがってある魔法を発動した。



「黒く燃え盛る雷の槍!!」



3属性混合魔法『黒く燃え盛る雷の槍』


右手に火、左手に闇。


それぞれをぶつけ合わせることにより魔力を増大させて的を貫通する上級魔法。


全てを飲み込むような漆黒の刀身の先は雷炎を纏い、対象者へと襲いかかる。


「ちょっ、レンやめなさい!」


対象者へと向かう槍にミイが離れた所からアイススピアを放って妨害しようとする。


だかしかし!


その程度の中級魔法じゃ防げんよ!






「え?え?嘘!」








対象者は隔離エリアを破壊させるかのような爆音と共に闇に包まれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ