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突如、白亜を拘束していた氷が砕け、私達は後ろへと吹き飛ばされる。
「いっつ……! 氷が少し溶けてる……まさか!?」
尻餅をついていたミイは、近くに転がってきた砕けている氷の欠片を手に取ると驚いた表情になる。
「ど、どうしましたの?」
私は身体を起こし、白亜の方へと向いて剣を構えながら尋ねる。白亜がいた場所は氷が砕けたせいか分からないが、白い煙の様なものが漂っている。
「……これは氷属性魔法の一種よ。それも特級。攻撃用とかじゃなく、ただ単に氷属性魔法にだけ対して使用可能な特殊なものだけど。でも、この魔法はどれほど高位の魔法……たとえ魔級の氷属性魔法でも無効にしてしまう特殊なものなのよ」
「そんな……!? でも白亜は超能力『マスター・オブ・ガン』を使用していますわよ? 超能力と魔法の併用は普通は不可能なはずですわ……」
ユウさんは普通じゃないということで。
「『超能力と魔法の併用使用』それがCodeNo.05、06のプロジェクトテーマ。
私はそのプロジェクトの最高傑作、CodeNo.06『ゼクス』」
ズドドドドッ!!!
「危ない!!」
白い煙が消えたと同時に大量の弾丸が私達の司会を覆い尽くす。向こうの壁が見えないほどの弾幕だ。
「な……!!」
私は先程の様に双剣で切り裂こうとするが、そうすればミイが蜂の巣にされてしまう。彼女はもう殆ど魔力が残っていないのだ。
「仕方……ありませんわ……!!」
「柊菜!?」
ミイの前に立ち、紫電に魔力を追加して弾丸を切り裂いていく。しかし、数が多すぎる。目で追えない。
このままじゃ二人とも……!!!
「最近発掘された古代遺跡、そこにあった石板にはこう書かれていたらしいわ。
『世界を創りし創造神は魔法を使う者、超能力を使う者とを区別した。神は魔法、超能力のどちらも使用し、全ての者を超越する。
したがって、神に対抗しうるものは魔法、超能力の両方を兼ね備えろ。
そうすれば新たな扉が開かれるだろう』と。
つまり、この世界では魔法と超能力のどちらも使える人間が神に匹敵する力を持つってこと」
弾丸の雨は止まらない。
「『紫閃』!!」
高速の四連続斬りが発動され、さらにそれを何度も繰り返す。だが、どれほど破壊しようとも銃弾は延々と私たちの命を狙ってくる。
「No.05も魔法も超能力も使えるけれど、あれはNo.12の能力によるもの。つまり自分自身の力じゃない。
私はこの力をあらゆる科学技術を駆使して手に入れた。
だから今の私は……貴女達ごときすぐに殺せる」
白亜の声色が変わる。
「『キャトル』」
刹那、大爆発が私達の身体を包み込んだ。