17
とある廃れた街
「はっ……は…!く…!どこいったんだ…!?」
埃っぽい街を1人の少年が白い髪揺らし、赤い目を血走らせながら駆けていた。
赤い目はこの世界に着てからずっと赤いので血走ってるとは言えないが。
「っ!もう少し注意しとくべきだった……!」
僕と刀音はベンチで久々の食事をした後、緊張の糸が切れたからか、自然と眠りについてしまった。
で、目を覚ました時には刀音が落としたと思われる食べさしのパンが隣に落ちていた。
普通、パンを落としたままどこかへ行ってしまうだろうか?
目を覚ましてから10分ほど彼女を待っていたが帰ってくる気配はなかった。
「……はぁはぁ…ん…?
あの建物だけ光がついてる……」
刀音を探し続けていると周りとは違って窓から光が漏れている建物があった。
もしかして……?!
僕は直感の赴くまま、その建物の中に入っていった。
建物の中は薄暗く、長い間誰にも使われてなかったのだろう。床も埃だらけで、咳が出そうだ。
「(これは……足跡か)」
少し歩くと埃まみれの廊下に足跡がついてるのに気づいた。
つまり誰かがこの建物に入ったということだ。
僕は足跡を辿ってさらに奥へと進んでいく。
『……!……っ!』
しばらく歩くと部屋から声が漏れていた。
外から見えていた明かりもあの部屋のものだろう。
僕はリュックを廊下の隅に置くとドアの前に気配を殺しながら近づいた。
「ひゃはは、これで何とか今日も飢えを凌げるな!」
「そうだなぁ!薄汚れちゃいるがなかなかの上物だ、高値で買い取ってくれるだろうよ!」
「だな…特に子ども好きの変態野郎とかがよぉ!」
ぎゃっはっはっ!!と男達の声が部屋中に響き渡る。
「(刀音……!)」
ドアの隙間から覗きこんでた僕は状況を確認して目を見開く。
刀音の服はボロボロで裸同然の状態に近かった。手には鎖が巻きつけられていて、天井から吊り下げられている。
中にいたのは年配の男が5人。
全員服装は薄汚れているが、身体は鍛えられているのか、なかなかのゴツさをしている。
「……ユ……ウ…」
「(刀音!意識が戻ったのか!)」
僕は刀音がまだ意識が残っていることに安心をした。もしかしたら殺されていたかもしれない状況だ。
「なんだぁ?こいつ目ぇ覚ましやがったぞ?」
「運ぶ時に面倒だ、もう一度気絶させるぞ」
バチチチッと男が手に持つ棒に電流らしきものを流しながら吊るされたユウの元へ近づいていった。
「……あぁぁぁぁっ!!!!」
「くくっ!いい鳴き声しやがるぞ!」
腕に棒を当てられ、絶叫する刀音。
男は楽しむように他の箇所にも棒を当てようとする。
「そうだ、ココに流したらどうなるんだろなぁ…!」
「おいおい、さすがにそこは不味くないか?取引できなくなるだろ?」
「どっちにしろ取引の後には同じようなことされんだから今やろうが一緒だろぉ?」
僕の中で、何かが切れる音がした。