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「隙だらけですわ!」
爆風を双剣による剣技を使って吹き飛ばし、通路の中央にいる白亜へ向かった疾走していく。手には電撃を帯びた双剣『紫電』を持ち、魔力を生成して次の剣技に備える。
「さっきのは陽動……こっちが本命ね」
白亜はバズーカから手を放し、消滅させていく。私達の剣技と同じような能力ですわね……
先ほどの爆発はバズーカから大量の爆弾を飛ばし、辺り構わず『ラ・シェイド・ブリザード』ごと吹き飛ばしたようだ。強固な白い物質が壊れているのがその攻撃の強力さをはっきりと示している。
私は双剣を平行に構えて剣技発動の予備動作へと入る。
「『二閃』!」
「『ドライ』」
剣技と同時に敵の銃撃が発生する。
「くっ!? 銃撃は顕現が完全に終わらないと無理なはずですわよ……!」
「私の超能力『マスター・オブ・ガン』は統治機関によって作製された魔銃を呼び出して使用する能力。創造することもできるけど、既成物を呼び出す方が魔力も少なく早い」
ズドドドドッ!
連射が行われて私へと飛んでくる。私は避けるという選択肢を選びかけたが、ミイとの作戦を思い出し、半ばヤケクソになって剣技を発動し続けた。
キィンッという音を立てて『二閃』で銃撃を幾つか弾き、まだまだ続く弾丸の雨を剣技で防いでいく。
「はぁぁあっ!!!『紫電』!!」
双剣が紫の雷を激しく発生させ、さらにその刀身部分は黄金の光が一筋走っている。
弾道をしっかりと確認、そして身体に直撃するであろう弾丸を弾き、白亜へと向かっていく。
「銃撃を弾くのね。でもこれなら……『ツヴァイ』」
銃撃の質が変わる。『ドライ』は弾丸の一つ一つが大きく弾幕も薄いパワー重視だったが、今回のものはスピードと弾数がかなり多い。私が剣技でギリギリ防いでいるのがバレていたのだろう。
私は双剣を今まで以上に早く、そして正確に動かしていく。もう防いでいられるのは致命傷となる弾筋のみ。魔力を帯びた銃撃が私の制服を切り裂いていくが、気にしている暇はない。
「まだまだ」
白亜がそう呟くとさらに弾が増えていく。あと少し……あと少しで届く……!
すると突然、双剣『紫電』の帯びていた電撃が弱まっていく。
……!?魔力不足……!?『二閃』の連発使用のせいですの!?
そう、私の双剣攻撃は基本的には魔力消費を抑えた技が多い。それは私自身の魔力量が神無さんのように底なしではないから。
連続技は一連の動きによって攻撃力を上昇させる。『紫閃』なら4連撃。『二閃』の連続使用はそれ以上に魔力を消費する。
しかし私の今の技術では『紫閃』を連続で発動することはできない。それ故に『二閃』を連続で使っていたが、私の魔力が尽きてしまったようだ。
このままでは穴だらけになってしまいますわ……!!
「(でももう魔力が……!!)」
「終わりよ『アイン』」
弾幕が止み、ライフルを呼び出した白亜が銃口を私に向け、魔力を練り込んだ一撃を放つ。今度は数ではなく、一撃で仕留めるつもりのようだ。
「一撃なら防いで……くっ!?」
双剣の電撃が消滅し、普通の黒色の剣へと戻る。剣自体は消滅していないので、魔力はまだ少しあるはずだが、おそらく敵の銃撃を防げるほどではないだろう。
「貫け」
『(……龍姫ト成リシ者ヨ……今コソ我ガ黄金ノチカラヲ……)』
これは……暖かくて……そしてどこか懐かしい………?
スパァッ!!!!
弾丸がバラバラに切り裂かれた。