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白箱 大演習場(大砂漠)
「はっ!『一閃』!」
『陽光の剣』が光を帯びて飛んでくる白いミサイルを一撃で両断する。中心を一気に破壊することで爆発は防げるようだ。
僕は剣を構え、敵の姿を確認する。DA-Ⅱ型は身体の一部分を砲台に変形させ、基本的に遠距離からミサイルを打って僕の様子を伺っている。たしかに剣技使いは飛び道具にはあまり強くない。リーチが短いからだ。だが、それは僕には当てはまらない。
「『イグナイト』」
光属性魔法を利用し、高速の移動を可能にする。僕は一瞬でDA-Ⅱ型との距離を詰め、接近戦を試みる。途中、DA-Ⅱ型も銃撃を行って反撃してきたが、全て剣で切り落としていった。
「『一閃』!……なっ!?」
背後に回り込み、『一閃』を発動したのだが、その剣先がDA-Ⅱ型を貫くことができない。どういうことだ……こいつの白い身体は爆撃機とは違うってことなのか?
『ギャッギャッギャ、驚いたかよ勇者さんよ』
DA-Ⅱ型が笑い声を上げ、話しかけてくる。僕は後ろに下がり、距離を取って様子をみる。
『私は、俺は約7000個の未原細胞を圧縮して作られた最高技術の兵器だ。爆撃機みたいな10個程度しか使ってない紙装甲とは訳が違うんだよぉ』
身体から生えていたミサイルを更に変形させ、僕を拘束しようと触手のようなものが延びてくる。僕は距離を取るために後ろへ下がろうとするが、足に違和感を感じて下に目線をやる。
「な、何だこれ!」
砂の中から白い触手が生え、僕の足を固定している。
『ギャギャ、砂の中を通したんだぜ!ちなみにこれは俺と同じ硬度で作ってあるからさっきみたいに切れないぞォ』
全身を固定し、DA-Ⅱ型は僕の方を向く。既に砲台は身体から生えており、腕や肩からも生えている。一斉射撃を行うつもりなのか?
『至近距離じゃその身体強化魔法でも避けられないだろォ!
発射ぁあ!』
ドッ!!!!!
ミサイルの一斉射撃によって大爆発が発生し、砂煙が大きく舞い上がる。
「ふぅ……危なかった」
『んん?死んでないだとォ??』