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魔王様!?桃源郷(ハーレム)創成記!  作者: 日鏡ロイ
12章 輝龍祭
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空間が捻じれるように火が呑み込まれていく。まるでその空間に何かブラックホールでも発生したかのようだ。真っ黒な……いや、よく見れば星のようなものが見えなくもない。ブラックホールというより、宇宙への入り口をそっくりそのまま切り取った風にも見える。


『(あれは……まさかあの時の……?魔力の質もほぼ変わらないし……ただ、この空間の方が圧倒的に安定していますね……)』


(何だ?ホムラはこのブラックホール的なののこと知ってんのか?)


『(はぁんっ、レンさんに名前で呼ばれちゃったぁ濡れてきてませんシノちゃん?)』


『(だから!んなもん見せんなって!)』


いやぁ、なかなか刺激的なものがありそうな感じが……


ゲフンゲフン!今はエレナを助けることに集中しないと。


「見た感じは闇属性っぽいな……なら!」


俺は四属性の魔力一気に練り上げる。さらに、槍から発生させた黒い炎で魔法陣を構成させることで威力を増加させる。闇属性を消滅させる、つまりネタ以外で使うのは久しぶりな魔法。皆、この魔法って敵の魔法を消滅させられるから最強だと思うだろ?実は、敵の魔法の属性を予想したり、四属性を混ぜるのに集中力がかなりいる、などの要素が多すぎてなかなか実戦では使いにくいのだ。


「『バニシングノヴァ』!!」


ほぼ透明に近い波動が黒い空間に向かって飛んでいく。火、水、木、光の4つの属性を均一に混ぜ合わせ、相互の消滅関係うんたらかんたらの効果で闇属性の魔法を消滅させる技だ。これならエレナを巻き添えにしないで黒い空間を消すことができるはず!


「……あ?」



しかし、俺の放った魔法は空間の中に吸い込まれただけだった。


……マジっすか。


「どどどどうしよう!まさかの闇属性じゃないパターンかよ!」


よくよく考えりゃあ闇魔法にあんなものは…いや、もしかしたら俺の知らない魔法?くそっ!どうすれば!エレナはまだ中にいるのか?もしすると俺の魔法みたいに吸い込まれたのか?


『(落ち着いて下さいレンさん。魔力を感じて…… ほら、もうすぐあの空間は閉じますよ)』


「えっ?」


頭の中に響いたホムラの声を聞き、黒い空間をしっかりと見つめてみる。


たしかに魔力が減少している。というか、空間が解体されて隔離エリアの上方に吸収されているようにも見える。おそらくだが、あれは魔力が自然魔力に変換されている。でも何でだ?


『(とりあえず、このデッカい木を消したら?この上にあの巨乳さんはいるんだろ?)』


「あ、あぁ」


強めのトーンでシノが話しかけてきた。いきなり話しかけられるとけっこう焦るんだよな……


俺はユグドラシルに近づき、木に手をつけて魔力構成の一部を変更する。こういう個体を生み出す魔法は基本的に術者が魔力を送り込むことで色々いじることができるのだ。


ズズズッと音を立てて木が小さくなっていき、エレナがいるであろう所もゆっくりと下に降りてきた。


「……!エレナ大丈夫か!?」


「…ん、う……ん?」


丁度登れそうなくらいの高さになったので、俺は木に足を引っ掛けて登って上がり、エレナのいる所へ近づいた。


エレナ自体は傷一つなく無事だったようだが、周囲の木々が明らかにおかしい。


球状にエグられているというか、ごっそりとその部分だけが消滅したかのような跡。まるで俺の魔王ボールかのようだ。


その中央にはエレナが横たわっており、気絶していたのか、眠っていたのかは分からないが、目を擦って立ち上がった。


「何があったんだ?いきなり黒いのがブワッてなったんだけど……」


エレナは一瞬ボンヤリとした表情を浮かべたが、すぐ我に返って取り繕うように笑顔を浮かべる。


「えっと、ま、魔法使おうと思ったら魔力の調整を間違えて変な感じの魔法になっちゃったんだ!」


「ま、まぁ無事だったら良いんだけどさ……本当に大丈夫か?」


「うん!とりあえず降りよう!」


エレナは氷魔法で階段を作ると滑らないようにゆっくりと降りていった。


俺もそれに続いて降りようと思ったが、何か違和感を感じてユグドラシルをチェックしてみる。


魔力は少し残っているが、他にはピンとくるような痕跡は何もないか。


……ん、まぁ後で考えてみよ。


適当に切り上げて降りようと階段に足をつけ……




ズルッ!!




「うひぃっ!??」




ガココココココッ!!!




「だ、大丈夫……?」


「……氷製ってこと忘れてたわ」


めっちゃ痛え……

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